あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「ワーテルロー」 (1970年)

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1970年 イタリア 133分
監督:セルゲイ・ボンダルチョーク
出演:ロッド・スタイガー、 クリストファー・プラマー

一大スペクタル戦争史劇。 ★★★☆

入試のときに必死に勉強した世界史は、もう、すっかり忘れている。
少しおさらいをしておくと、破竹の勢いだったナポレオンはロシア遠征で厳寒のために大敗する。
(これを背景にしたのが、同じボンダルチョーク監督の「戦争と平和」だった)
そしてナポレオンは1914年4月に退位させられ、エルバ島島流しになる。
映画はここから始まっていた。

オリジナル版は240分だったとのこと。
それを100分も削ったのだから、導入部のあたりは駆け足にならざるを得ない。
あっさりと、ナポレオンは10ヶ月後にはふたたびパリへ侵攻して、再び皇帝に復帰する。
映画は、その後の所謂「百日天下」を描いている。

とにかくこの映画、CGなぞなかった時代にこれだけの一大合戦絵巻を映像にしたのだからすごい。
ワーテルローの戦いでは、フランス軍、そしてイギリス、プロイセン連合軍、合わせて20万人近くが戦ったとのこと。そして5万人の死者が出たとのこと。
当時のソ連軍が全面的に協力して、2万人が撮影にかり出されたとのこと。

ナポレオン役にロッド・スタイガー
はじめはスタイガー?と思ったのだが、小太りで小男というナポレオンには意外によく合っていた。
それにしても、他の将校はみんな帽子を立てに被るのに、ナポレオンだけは(名画にも描かれていおるように)帽子を横に被っている。どうして?

対するイギリスのウェリントンクリストファー・プラマー
なんとなく自分は手を汚さずに上手いことやってやろうという感じの人物像に見えた。
それに、結局の所、プロイセン軍がいなければ負けていたんだろ。

これだけ大がかりな戦争になると(しかも基本的に肉弾戦)、一つの要因で戦局も変わってしまうのだろう。
関ヶ原における小早川の裏切りで勝敗が決まったというように。

空撮された映像は圧巻。
どこまでもどこまでも軍勢がひしめき合っている。
迎え撃つ方陣形の敵陣に騎兵隊が突進していく様など、本物が持つ迫力だった。

ただ、部分部分を撮っていくので、全体の軍の配置とか、ナポレオンの下した戦略の様子とかが、今ひとつわかりにくかった。残念。
戦いの進行具合、情勢の見せ方にもうひとつ工夫が欲しかった。

それはともかく、CGを使わずにこんな大きなスケールの映画はもう作れないだろうと思える。
物語は史実をなぞっていたわけだが、映像には感嘆させられた。