2008年 フランス 114分
監督:トラン・アン・ユン
出演:ジョシュ・ハートネット、 木村拓哉、 イ・ビョンホン
宗教を主題としたドラマ。 ★★☆
サスペンス性の強いストーリーなのだが、実は宗教的な主題だった。
う~ん、微妙?・・・かな。
元刑事の私立探偵クライン(ジョシュ・ハートネット)は、大富豪から失踪した息子シタオ(木村拓哉)を探して連れ戻してくれとの依頼を受ける。
シタオの足どりを追ったクラインは、フィリピンで死んだはずのシタオが香港で生きているとの情報を得る。
その頃、香港のマフィアのボス、ス・ドンポ(イ・ビョンホン)も、拉致された恋人がシタオと一緒にいるということで、シタオを捜していた。
どうやらシタオは、キリストを体現する存在として描かれているようだ。
一度死んだ彼は再生し、今度は他人の痛みを自らが引き受けて助ける存在になっていたのだ。
彼は肉体的に痛み、苦しみながら他人を助けつづける。
彼のもとにやってくる苦しんでいる人は後を絶たない。シタオはどんどん自らが傷ついていく。
監督はベトナムの美しい風物を描いた「夏至」のトラン・アン・ユン監督。
村上春樹原作の「ノルウェイの森」も撮っていた。
しかし、今作はこれまでとはまったく違う感触の映画だった。
クラインが刑事だった頃に追っていた連続殺人鬼も登場してくる。
彼は死体を切り刻み、奇妙なオブジェを作りつづけている。
彼もまたキリストの受難を体現しようとしていたらしいのだが、よく判らなかった。
(最後のネタバレ)
嫉妬に駆られたドンポはシタオを撃ち殺すのだが、それでもなおシタオは死なない。
「私を怖れるな」と言うシタオの両手を、ドンポは釘で板に打ち付ける。
俯瞰すれば、それは十字架に打ち付けられたキリストの姿となっていた。
そして「あなたを赦す」と言うシタオに、「赦しなどいらない」と答えてドンポは泣きながら去る。
クラインは「”父”の元に連れて帰る」と言って、シタオを”十字架”から外す。
この映画はクリスチャンと、クリスチャン以外の宗教を信じる人と、私のように無宗教の人では、ずいぶんと感じるものが違うだろうと思える。
クラインは”堕天使”で、ドンポが”悪魔”をあらわしているとの解釈もあるようだ。
ふ~ん、それでもなお、私には伝わってくるものは判らないままだった。
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