2006年 アメリカ 144分
監督:マーティン・キャンベル
出演:ダニエル・クレイグ、 エヴァ・グリーン
6代目ボンドのダニエル・クレイグの第1作。シリーズとしては21作目。 ★★★★☆
起用時には疑問視されたダニエル・クレイグだが、みごとに007を復活させた。
マンネリからくる一時の荒唐無稽なおふざけ部分がなくなって、スパイ・アクションものとして現実的な迫力ある映画になっている。
設定としては若き日のボンドということで、はじめてダブル・オー(00)の資格を得ての活躍が描かれる。
高所での追跡劇から始まり、肉体を使ったアクションが見事。カー・アクションも充分に楽しめる。
舞台もハバナからマイアミ、モンテネグロへと華やかに移る。
敵の資金源を立つためのポーカーの大勝負が山場となるが、ポーカーのルールを知らなくてもあまり困ることはない。
誰が裏切り者で、誰を信じたらいいのか、クライマックスは思っていたよりももっと先にあった。
ちょっとスティーブ・マックィーンに似ているなと思っているダニエル・クレイグだが、ほとんど笑わない。
真面目に007をやっているぞという雰囲気で、好感が持てる。
ボンド・ガールのエヴァ・グリーンが、あの「雨の訪問者」のマルレーヌ・ジョベールの娘とは知らなかった。
こういう映画では敵役の存在感が重要だが、血の涙を流す敵も憎々しげでよかった。
007シリーズとしては最高傑作に属するのではないだろうか。