監督:呉美保
出演:ユースケ・サンタマリア、 友近
家族同士の思いやり。 ★★☆
前半は、どこにでもありそうな家族の日常が淡々と描かれていていて、どの家族にでもありそうなやりきれなさも漂わせている。
ところが、ユースケが驚くようなカミング・アウトをして家を出たあたりから、家族が何であるのかがあらためて問われるようになる。
サンダンスNHK国際映像作家賞を取った脚本で作られた映画。
ユースケ・サンタマリアと友近という、ちょっと不思議な組み合わせだが、違和感のない自然体で夫婦役を演じている。
物語は友近の連れ子である長男の視点で描かれているのだが、この子役が実に巧みであった。
真実が明らかになり、家族があたらしい土地へ旅立つ光景はほっとする。
決して大作ではないが、それなりの事件もあり、手堅くまとまっている。
お笑いはなく、非常に真面目に作られた映画であった。