2012年 インド 125分
監督:SS・ラージャマウリ
出演:ナーニ、 サマンサ・ブラブー
エンタメのインド映画。 ★★☆
無念を残して死んだ者が、生きている愛する人を守るために活躍する、とこうくれば、なんといっても有名なのは「ゴースト/ニューヨークの幻」だろう。
あの映画では主人公はゴーストになってヒロインを守った。
この映画、主人公はなんと”ハエ”(インド語でマッキー)になってヒロインを守る。えっ?
ビンドゥ(サマンサ・ブラブー)に惚れ抜いているジャニ。
彼女にどんなにツンツンされようが、決してくじけない。
超ポジティブ思考のジャニ。
でも、勝手に彼女の気持ちを解釈してつきまとう彼は、傍からみたら完全にストーカー(笑)。
やがて一途な愛はついに成就する・・・ように見えて急展開。
横恋慕をした悪徳実業家に殺されてしまうのだ。ありゃあ。
この恨み、晴らさでおくものか~。
なによりも愛しの彼女をあいつの魔手から守らねば!
という執念(?)で、主人公はハエに生まれ変わる。
さすが、輪廻転生の国インドだ。でも、なぜ、ハエ?
たかがハエ風情になにが出来ると思ってしまうかもしれない。
しかし、そこはインド映画なのだよ。ハエも筋トレをして身体を鍛えるのだ(笑)。
敵の殺虫剤攻撃を防ぐために、ハエもゴーグルをかけるのだよ(笑)。
ちょっと拙いハエのCGもなんとなく微笑ましい。
それもこれも、インド映画が持っている”楽しければすべて許しちゃう!”といったおおらかな精神のあらわれ。
ストーリーの完成度なんて二の次。
そんな馬鹿な、と、呆気にとられながらなにも考えずに楽しむのがインド映画鑑賞の基本。
例によってヒロインは文句なしにきれいだし。
ただハエが主人公だけに、インド映画お約束のダンス・シーンがほとんどなかったのは残念だった。
最後にハエの群舞があったけれど、いくらハエに踊りをしてもらってもなあ(苦笑)。