2022年 92分 アメリカ
監督ジェシー・ジョンソン
出演:オルガ・キュリレンコ、 マイケル・ルーカー
単純な銃撃戦もの。 ★★☆
主人公は初老の殺し屋ゲイブ(マイケル・ルーカー)。
彼は弟子の殺し屋と一緒に、組織のボスのアーノルド(ブルース・ウィリス)からの暗殺請負い仕事をこなしていた。
ところがその現場で女刑事フリン(オルガ・キュリレンコ)に目撃されてしまう。
これはまずいぞ。彼女の口を封じなくては。
最近、オルガ・キュリレンコのアクションものを立て続けに観ているような気がする。
彼女ってそんなにこの系統の作品に出ていたのか?
悪の組織は非情である。フリンと一緒に現場を目撃した相棒はゲイブらにあっさりと殺されてしまう。
よし、次はあの女刑事だ。突き止めた自宅を襲うぞ。
アーノルドに命じられた殺し屋集団がフリンの家を襲う。
さあ、ここからだ、悪集団に取り囲まれたキュリレンコが撃つわ、撃つわ。
彼女の銃弾はどんどん当たって、襲ってきた敵はどんどん倒れていく。
敵が乱れ撃つ銃弾は(何故か)フリンには当たらない。そういうことになっている(笑)。
で、彼女を仕留めることが出来るのはお前だけだ、とゲイブが差し向けられるわけだ。
ところがここで物語は急展開。
なんとゲイブはフリンに同情して、助けはじめるのだ。
その理由は、亡くなった奥さんとフリンの誕生日が一緒だったから。えっ、なに、それ?
まさかフリンが亡き愛妻の生まれ代わりだと思ったわけじゃないよねえ。
それはとにかく、二人はゲイブの家に立てこもって襲ってきた敵と戦うのだ。
ゲイブがフリンに言う、大丈夫だ、この家は要塞だ、銃も沢山あるぞ。
ここからの終盤はもう問答無用の銃撃戦。
敵の銃弾は家を粉々に打ち砕いていく。それでもフリンとゲイブは無敵なのだよ。
さあ、反撃だ。敵の機関銃も奪ったぞ、これをくらえっ!
派手の一言の映画、物語に深みはない映画。
この映画が決定的にB級となっている原因は、とにかく登場人物の掘り下げがないこと。
たとえば、物語の始めのあたりにでもゲイブのこれまでのことが少しでも挟み込まれていれば、彼の人間味が深くなっただろうに。
元海兵隊のフリンの過去が意味ありげに描かれていれば、もう少し映画に奥行きが出ただろうに。
ということで、それらは全部振りはらって、何も考えずに銃撃アクションものを楽しみたい、というときにどうぞ。
間違っても、人生について考えたいとか、しみじみとした情感を味わいたいとか、そんなときに観る映画ではありませんよ。