あきりんの映画生活

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日曜日が待ち遠しい

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1982年 フランス 111分
監督:フランソワ・トリュフォー
出演:ファニー・アルダン、 ジャン・ルイ・トランティニヤン

軽妙なサスペンスもの。 ★★★★

狩猟に出かけた不動産屋(ジャン・ルイ・トランティニャン)は殺人事件の犯人として追われる身になってしまう。不動産屋で働いていた女性秘書(ファニー・アルダン)は、オーナーを救うために事件を探りはじめる。

フランソワ・トリュフォーの遺作。
トリュフォーほど気の向くままに多種の映画を撮った監督も少ないだろう。青春映画、サスペンス映画、戦時下の状況を描いたシリアスな映画、それに映画作りの裏側を描いた映画等々。
自分に正直で、自由だったのだろうと思う。

この映画はモノクロで撮られた洒落たサスペンスで、たぶんに敬愛するヒッチコックを意識していると思える。
はっきり言ってストーリーはかなりぼろが出そうなしろもので、取りたてて目新しいものはない。
しかし、それを補ってあまりある雰囲気がよい。
光と影の画面が美しく、どの場面を切り取っても一編のドラマを感じさせる。

とくに、通行人の脚だけが見える半地下の窓からの光景とか、夜のドライブの運転席の光景とか、観ている者に鮮やかな色まで感じさせる。

トランティニヤンは頼りない、それでいて男のプライドばかりが高い役柄を上手く演じている。
それがアルダンの颯爽としたイメージを一層際だたせている。
余談だが、アルダンはトリュフォーの最後の恋人だったとのこと。

ストーリーなんかわかっていてももう一度観てみたい、そんな映画。