あきりんの映画生活

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スズメバチ

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2002年 フランス 108分
監督:フローラン・エミリオ・シリ
出演:ナディア・ファレス、 サミー・ナセリ

銃弾飛び交うフレンチ・アクション。 ★★★

マフィアの幹部を護送する特殊警察部隊は、幹部奪還を狙うマフィアたちに襲われ、倉庫に逃げ込む。そこには窃盗グループが侵入していて、外部との連絡やセキュリティ・システムが断たれていた。そこでマフィアとの激しい銃撃戦が始まる。

前半は、マフィアの護送部隊と倉庫へ侵入する窃盗グループが交互に描かれ、観ていてやや混乱するが、すぐに話は結びつていく。
閉ざされた場所に包囲されて敵の猛攻撃を受ける、という設定は「アサルト13・要塞警察」を思い出させる。
反目しあう者たちが、外部からの共通の敵と戦うために協力をはじめるという流れも、全く似ている。

フランス映画らしい洒落っ気を取り払い、とにかく銃撃戦をみせようとしているようだ。
しかし、そこはそれ、ハリウッドものとは異なる雰囲気が漂っている。
たしかに銃撃戦は派手なのだが、それ以上に、見えないところから攻めてくる敵の恐怖感、内部に立てこもった者の反目と連帯感、などがなかなか奥行きのあるものとなっている。

襲ってくる敵がノクト・ビジョンを付けて個々の顔が判らないのは、次から次へと押し寄せてくる敵の不気味さをよく表していた。
そして、壁に無数にあけられた銃弾あとの穴から、暗い倉庫の中へ細い光がいく条も差し込んでいるのはきれいな絵だった。

登場人物の説明は意識的に少なくしているようであるが、護送部隊の子持ち女性中尉や、倉庫の警備員のおじさんなど、ちゃんと思い入れができるのは立派なでき。
銃器の迫力も十分にあった。

あまり期待しないで観たら意外にもうけものだった、という感じ。