19995年 アメリカ
監督:マーティン・キャンベル
出演:ビアーズ・ブロスナン、 イザベラ・スコルブコ
ショーン・ビーン、 ファムケ・ヤンセン
5代目ジェームス・ボンドの第1作。 ★★★
オープニングは巨大ダムからのバンジー・ジャンプで、思わずおーっと唸らせる画面づくりをしている。なかなかに良い感じ。
今回は電磁波兵器を搭載した軍事衛星をめぐる攻防で、戦車でのカー・チェイスがあったり、軍用列車との衝突があったりする。最後はキューバを舞台にして、巨大パラボラ・アンテナでの死闘。
初登場のビアーズ・ブロスナンは全く違和感がない。甘いし、お洒落だし、ユーモア感にもあふれている。
イメージ的にはロジャー・ムーアに近いものがあり、無意識のうちに思い描いているボンド像に合っているのだろう。
しかし、安心してみていられる分、裏返すと新鮮みに欠けるということにもなる。その辺りをどう評価するか。
今回のボンド・ガールは理知的で良いのだが、敵役・美貌の女殺し屋オナトップになるファムケ・ヤンセンの前ではかすんでしまった。
とにかくこのヤンセンは強烈。くっきりとした顔立ちの美人でありながら、すざまじいマゾというところがすごい。男を太股ではさみこんで殺してしまったりもする。すごい。
こういう悪役が出てくると、この手の映画はひきしまって面白みを増す。
この作品からMがジュディ・デンチに変わっている。さすがに貫禄。
まだ充分には魅力を発揮しきれていないブロスナン・ボンドだったが、007ものとしての面白さは合格点。
このあと彼の主演では4作が作られることになる。