2005年 日本
監督:萩上直子
出演:小林聡美、 片桐はいり、 もたいまさこ
フィンランドを舞台にした人情ドラマ。 ★★
ヘルシンキの街角に、小林聡美がひとりで切り盛りする小さな食堂「かもめ食堂」がでオープンする。
そこになにかわけ有りのような片桐はいりやもたいまさこがあらわれ、緩やかな時間がすぎていく。
大きな事件が起きるわけでもなく、ひたすら心地よい人間関係がのんびりと描かれる。
登場する人物たちの背景の説明は何もなく、ただ、今の触れあいを大切にしている。
それによって癒されると評価する方は沢山いると思うし、その通りの狙いの映画だと思う。
しかし、なんかなあ、・・・気持ちが悪い。
こうすればきっと善い人のように見えるだろう、こういうやりとりをすればきっと心地よい人間関係のように見えるだろうと、たぶん誰もが予想するような仕草、台詞がそのまま出てくる。これが気持ちが悪い。
なんとも居心地が悪くなってきてしまう。
(これは、たぶん私がへそ曲がりであるだけのことなのだろうけれど)。
結論として、脚本が私好みではなかったのだと思う。3人の出演者はそれぞれよく演じていたのだから。
謎の主人公の小林聡美がよかった。
それに、片桐はいり、もたいまさこの両人が美人とはほど遠い容姿であったことがこの映画を助けていた。
(これで、登場人物が美人だったりしたら、とても観られたものではなかっただろう)。
物語の舞台となっているフィンランドの港町の風景はとてもきれいな映像だった。
予定調和のおとぎ話として、素直に観ればよかったのだろうな。