あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。1800本余りの映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。

「ネブラスカ」 (2013年)

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2013年 アメリカ 115分
監督:アレクサンダー・ペイン
出演:ブルース・ダーン、 ウィル・フォルテ

ほのぼのロード・ムーヴィー。 ★★★

 

アレクサンダー・ペイン監督といえば、人の善意というか、心の奥底にある優しさというか、そういったものをじんわりと描くことが多い。
この映画も観ていて気持ちがじんわりと温かくなる。
全編モノクロ画像。

 

モンタナに暮らす老人ウディ(ブルース・ダーン)は、ある日、100万ドルの賞金が当たったという手紙を受け取る。
普通に考えれば、それ、詐欺の類か、何か怪しげな勧誘の類。
居丈高で亭主を怒ってばかりいる奥さんも、同居している次男のデイビッドも、騙されているんだよ、といってもウディは納得しない。

 

ちょっと認知症になりかかっているんじゃないかと思えるほどに頑固なウディ。
誰がなんと言おうと彼は手紙を信じ込んでいる。

わしはひとりでネブラスカまで賞金をもらいに行ってくるよ。
なんと無茶な。それも、一人で歩いて、だぜ。

地図で確かめると、モンタナはアメリカの東北部、ネブラスカは中西部。

約1600km離れているようだ。こりゃ、遠い。

 

ということで、ウディに根負けしたデイビッドは、老父を納得させるために車でネブラスカまで連れて行くことにする。
この映画はそんな父息子のロード・ムービー。
(ちなみに息子の車はスバルだった。あれは古いレガシー・ツーリングワゴン?)

 

いつも口を半開きにしている頑固ウディをブルース・ダーンが好演。
ウディのその一途さが次第に愛しくなってきて、少し哀愁さえ感じるようになってくる。
はた迷惑でしかない頑固さが、少しずつ憎めなくなってくる。
見事に彼はカンヌ映画祭で最優秀男優賞を獲っている。

 

そして彼ら二人の周りにあらわれる人たちも、人間味に溢れている。
というか、どこか極端な部分を持った人間造形になっていて、おかしい。
ウディの奥さんは口汚い愚痴ばかり言っていて、シモネタも連発する。
もし、お母さんがあんなだったら、とてもじゃないがやっておれんな。デイビッド、気の毒。

 

道中で二人はウディの生まれ故郷に立ち寄るのだが、そこで再開する親戚一同がまたひどい連中。
ウディがもうじき大金を手に入れるそうだということで、みんな我先にと群がってくる。
親戚のおばさんは、昔、貸したお金をまだ返してもらっていなかったわよねえ。
ウディの兄も自分勝手で高飛車な嫌な奴なのだが、その息子たちもいじめっ子タイプの嫌な奴ら。

 

侮辱された父親のために人を殴ったデイビッド、よくやった!
さて、ついにネブラスカについて、手紙の住所の事務所を訪ねる二人。
案の定、その手紙は・・・。

 

ここから、老父のためにデイビッドがする親孝行がやさしい。
そしてその親孝行を使ってウディが(嫌な)兄にぎゃふんと言わせるところも好かった。

 

地味な映画ですが、ゆるやかなコメディ・タッチもあって好い映画です。
派手なアクションものや、血なまぐさいサスペンスもの、目を奪う映像のSFに疲れたら、たまにはこんな映画が好いなあ。