あきりんの映画生活

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「アムステルダム」 (2022年) 歴史の裏側で何が起こっていた?

2022年 アメリカ 134分 
監督:デビッド・O・ラッセル
出演:クリスチャン・ベール、ジョン・デビッド・ワシントン、 マーゴット・ロビー、 
    ラミ・マレック、 ロバート・デ・ニーロ、 ゾーイ・サルダナ

歴史物サスペンス。 ★★★☆

 

舞台は第一次世界大戦後のアメリカ。
実際にあったという政治的陰謀に迫る3人の男女を描いている。
豪華な出演陣の友情物語でもあり、良き青春へのノスタルジーもある。

 

第一次世界大戦で重症を負ったバート(クリスチャン・ベール)とハロルド(ジョン・デビッド・ワシントン)は、従軍看護師のバレリー(マーゴット・ロビー)と意気投合する。
彼ら3人は戦後もアムステルダムで仲のよい共同生活を送っていた。

 

この感じは、ああ、そうだ、女性一人を中に挟んだ男二人の友情ということで、あの「突然炎のごとく」を想わせた。
よい感じの3人である。
前衛芸術家でもあるバレリーを演じるマーゴット・ロビーが魅力的。
DCの「スーサイド・スクワット」でのハーレイ・クイーン役もよかったけれど、こちらの方が自然体で好いなあ。

 

やがてそれぞれの道を歩むためにアメリカへバートとハラルドは帰国する。
バレリーだけは、どうして帰ってしまうの、このままアムステルダムで楽しく暮らしましょうよ、とアムステルダムに残りたがったのだが・・・。

 

そしてニューヨークに戻ったバートとハラルドは第一次大戦の英雄将軍の不審死に直面する。
しかも、その犯人の疑いまでかけられてしまうのだ。
困ったな、どうしよう?

 

窮地に陥ったバートら二人に近づいてくる大富豪のトム(ラミ・マレック)と妻リビー(アニャ・テイラー=ジョイ)。
敵なのか見方なのか、分からない。
でも、(これだけの配役なら)絶対こいつら何か裏があるなと思って観ていたら、やっぱりそうだった(苦笑)。
特にアニャ・テイラー・ジョイが憎々しげでよいねえ。

 

このあと、バートとハロルドは個人では抗えないほどの大きな陰謀に巻き込まれていく。
そして思いがけない場所でバレリーと再会する。
さあ、3人はこの陰謀にどうやって立ち向かう?

 

ラッセル監督は第2次大戦前に実際にあった政治的陰謀に触発されて本作を作ったという。そういえば、アメリカの国際金融資本、グローバリストの陰謀があったという話は聞いたことがあった。
あれがこれだったのかな?

 

そのグローバリストに担がれたのがロバート・デ・デニーロ演じるバトラー将軍である。
海兵隊の英雄で根っからの善人。
デ・ニーロが大詰めの美味しいところをさらっていったな。

 

政治的なサスペンスものなのだが、主役3人が楽しい日々を送ったアムステルダムが甘酸っぱい香りを残していた。
ラッセル監督とはあまり相性がよくないと思っていたのだが、今作は没頭することができた。