2004年 アメリカ
監督:ジョン・ムーア
出演:デニス・クエイド
砂漠からの脱出もの。 ★★
ゴビ砂漠の真ん中に不時着した貨物機に乗っていたのは11人。救助は期待できない状況。そこで、壊れた機体を修復して、砂漠から脱出しようとするお話。
言ってしまえば、これだけのお話。
30数年前の映画、「飛べ!フェニックス」のリメイクとのこと。
映画だから、もちろん最後には脱出できるわけで、砂漠に取り残された困難な状況を、皆がどうやって切り抜けていくかが主軸となる。
限りがある食料や水をどう使うか、体力の消耗を防いでじっと助けを待つべきか、それとも、なにか行動を起こすべきか。
砂嵐もやってくるし、砂漠の強盗団もあらわれる。
しかし、緊迫感が足りない。
機長だったデニス・クエイドや、ちょっと一癖ある飛行機の設計技師、それに閉鎖された油田の責任者だった女性などなど。
各自の描かれ方が中途半端で、その人が抱えている物語が見えてこない。
だから人々の行動がうわべだけのものに見える。だから人々の考え方の対立や、助け合いにどうにも深みがない。
それに、壊れた機体の使える部分を寄せ集めて飛べる飛行機を作ってしまおうという発想は、男の子の夢を刺激するはず。
本来ならば、もっとわくわくする展開ができたはず。
この部分を尾翼に利用して、この部分をこう切断すればここに使える、とか。
それが、ない。全く、ない。
いともあっさりと新しい飛行機ができてしまった。あれ?
最後も肩すかし的にあっさりとしていた。
強盗団が襲ってくるのが、ちょうど飛行機が離陸する寸前だなんて、いくら映画だといっても、あまりに恥ずかしくなるようなタイミングではないか。
無事に砂漠から飛び立てたのはいいのだが、翼につかまっていた人たちが、旋回時に振り落とされなかったかが心配だったな(笑)。