2003年 アメリカ 97分
監督:マーク・S・ウォーターズ
出演:ジェイミー・リー・カーティス、 リンジー・ローハン
母娘の身体が入れ替わるドタバタ・コメディ。 ★★★
精神科医でシングル・マザーのテス(ジェイミー・リー・カーティス)と、ロックに夢中のアンナ(リンジー・ローハン)は、ことあるごとに親子げんかをしている。
そんなある日、怪しげな中華料理店でもらったおみくじクッキーを食べた二人の身体が入れ替わってしまう。
と。まあ、どこかで見たような設定の物語。
主人公たちの困惑も、そのあとのドタバタぶりもある程度は予想できるし、その通りにすすんでいく。
ここで、安心して楽しく観ていられるか、ありきたりの展開にがっかりするか、が分かれるのだが、この作品は面白く観ることができる。
脚本や、人物像が良くできているせいだろうな。
クレジット・カードも車も使えるようになった娘アンナは、好きな服を買いまくるわ、耳にピアスを開けるわ、もう、やりたい放題。笑える。
挙げ句の果ては母の代わりにTVにまで出演して、真面目な心療相談にロック魂ではじけて、かえって大受けしたりする。笑える。
母テスも、自分がこれまでないがしろにしてきた娘の生活が、大事にしているものに支えられていたことを知る。
見ているこちらも、映画の最初のあたりでは、あまりのダメダメぶりに苛々した娘アンナだったが、結構好い奴じゃないかと見直す。
反目している相手を理解するには、相手の生活を経験してみるのが一番の方法なんだと、あらためて考える。
互いの身体が入れ替わってしまうという設定は、日本映画では大林宣彦監督の「転校生」があった。
あちらは男女の身体が入れ代わってしまうところがミソで、入れ替わりによる困惑ぶりの狙いは、今作とはちょっと異なっていた。
最後近く、娘アンナ(本当は母テス)はロック・バンドのオーディションに出場することになるのだが、舞台の陰で母テス(本当は娘アンナ)がエレキ・ギターのソロを弾いて助けるところは盛り上がる展開だった。
期待していたとおりの母娘の顛末となり、大いに満足して見終えた。
家族で安心して楽しめる映画(ディズニー制作です)でした。