あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。1800本余りの映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。

「路上のソリスト」 (2008年)

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2009年 アメリカ 117分
監督:ジョー・ライト
出演:ジェーミー・フォックス、 ロバート・ダウニー・Jr 、キャサリン・キーナー

健常者と心の病者の交流。 ★★☆

LAタイムズのコラムニスト、ロペス(ロバート・ダウニー・Jr)は、ある日路上で壊れたバイオリンを弾いているホームレスの男、ナサニエルジェイミー・フォックス)と出会う。ナサニエルが名門ジュリアード音楽院に通っていたと知り、ロペスは彼の人生の取材をはじめる。

実際に新聞に連載された人気コラム記事をもとにした映画とのこと。
真面目に作った映画だということはよくわかる。良心的な映画だろうということもよく判る。
しかし、どうも伝わってくるものが希薄だった。

取材を続けるうちに、ロペスはナサニエルが統合失調病であることを知る。
そして彼が、病のために続けることができなかった音楽の世界に今でも惹きつけられ、純粋にその世界を愛していることを知る。
ナサニエルの病をなんとかしてやりたいと考えたロペスは、彼なりによかれと思う行動に出る。

統合失調症者の世界を健常人が推しはかることはむずかしい。
全く異なる基準で世界が成り立っているからだ。正しいと思われる理屈も、双方の世界では微妙に捻れている。

だから、あちらの世界に住んでいる人にとっての幸せが何であるかを、こちらの世界に住んでいる者がこちらの世界の基準で考えることは、とてもむずかしい。
ロペスがナサニエルによかれと思って様々なことをするのはよく判る。しかし、それがナサニエルにとって、よいことだったのかどうか。

だから、貴方を思ってしてあげたのに、何故怒りはじめるんだ?という局面が必ず生じる。
それが哀しい。それが心の病なのだ。

この映画で伝えたかったことは何だったのだろうか。
健常者と統合失聴者の世界の相克を描きたかったのか.
それとも、健常者の世界に受け入れられなかった統合失聴者の運命を見つめたかったのか.
あるいは、そんな境遇でもナサニエルを救っていた音楽の意味を訴えたかったのか・・・。

実話にもとずいているので、勝手な物語の展開にはできなかったという事情はあるのだろうが、どうもそのあたりの狙いが絞り切れていないようだった。
真面目に作ってあるだけに、物語が分散してしまったのは、残念であった。