あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです(苦笑)。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。

「バガー・ヴァンスの伝説」 (2000年)

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2000年 アメリカ 125分
監督:ロバート・レッドフォード
出演:マット・デイモン、 ウィル・スミス、 シャーリーズ・セロン、 ジャック・レモン

1920年代のゴルフもの。 ★★★

ロバート・レッドフォードは穏やかな人なのかなあ、と思ってみたりする。
彼の映画には激しさはない。たとえば、救いようのない悪人は出てこないし、超えようのない不幸にみまわれたりすることもない。
どこかに救いがあり、ほのぼのとした幸福感を求めて映画が作られている。

同じ俳優出身の監督でも、クリント・イーストウッドは鋭い棘がむき出しの映画を作ってくる。
イーストウッドは、(グラン・トリノのイメージがあるからだろうが)とても偏屈な、穏やかな人ではないように思える。

さて。
舞台はアメリカ南部の田舎町(なのだろう)。経営困難に陥ったゴルフ場の若い経営者アデル(シャーリーズ・セロン)は大物ゴルファーを招聘してのエキシビジョン・マッチを企画する。その試合に、今は荒れた生活をしている地元出身のゴルファー、ジュナ(マット・デイモン)も加わることになる。

かっての恋人アデルとの確執もあって試合に出ることになったジュナだが、当然、今の状態では世界的な大物ゴルファーに太刀打ちできるはずがない。
そこへどこからともなくあらわれたのが、ウイル・スミス演じるバガー・ヴァンスと名乗る謎のキャディ。
たった5$の報酬の約束で、かっての天才的なスイングを忘れたジュナにアドバイスをしてくれる。

スポーツものとしてみると、不満はいくらでも出てくる。
ヴァンスのアドバイスは精神訓話みたいなものばかりで、酒浸りだったジュナがあれだけでスーパー・ショットを打てるようになるとは、いくらなんでも無理なんでは?
しかし、これはスポ根ものではないのだし・・・。

初日のスコアでは大差がついていたのだが、みるみるうちに追いついていく。
スポーツものにお約束のはらはら感、緊張感は全くなし。あまりにもあっさりと、童話風に展開していく。
レッドフォード作品に特有の、少しぬるい、しかし心地よい雰囲気で物語はすすむ。
それを楽しむ作品。それを充分に楽しんだ。

シャーリーズ・セロンは相変わらずきれい。
これは、あの「サイダーハウス・ルール」の翌年の作品。彼女が初々しく輝いている。
ウイル・スミスはそれほどお気に入りの俳優というわけではないのだが、この作品での彼は雰囲気もよく好演。
最後近く、試合最後のパターを見ずに彼はゴルフ場を立ち去る。そこへ聞こえてくる大歓声。彼は小さく、やった!というポーズを取る。ここは好かったな。

ところで、バガー・ヴァンスとは何者なのだろう。
ジュナだけに見える精霊、あるいはもう一人の内なる自分、なんてことも考えたが、他の人にも見えているらしい(笑)。
あるいは、物語はジャック・レモン演じる老人の回想という形なのだが、彼の少年時代の記憶が創り出した架空の存在のものなのかもしれない。

最後の場面で、年老いたジャック・レモンの前に、ヴァンスが数十年前と同じ姿であらわれる。
今度は、ヴァンスはジャック・レモンを導いてどこかへ連れて行くのだろう。

ゴルフが題材ですが、スポ根ものの対極にある童話風の作品です。
心穏やかに観る作品です。