1963年 アメリカ 244分
監督:ジョゼフ・L・マンキウイッツ
出演:エリザベス・テイラー、 レックス・ハリスン、 リチャード・バートン
超豪華な一大史劇。 ★★★☆
某雑誌でこの映画がリメイクされるとの記事を読んで、オリジナルを観ておこうということで。
公開当時からいろいろと批判が多くて、評価も今一つの大作だが、いや、なかなかに面白かった。
膨大な制作費がかかり、そのために20世紀フォックス社が倒産しかけたというのは有名な話。
画面を観れば、それも容易に納得できる。
CGのなかった時代に、あの宮殿の様子、大群衆の様子、合戦の様子、どれをとっても豪華さは並大抵ではない。
エキストラの数は20万人以上だったとのこと。すごい。
当初は6時間の大作として撮られたのだが、あまりに長いということでカットされて公開され、現在入手できるDVDは2枚組・4時間あまりのもの。
前半はクレオパトラとシーザー、後半はクレオパトラとアントニウスの物語になっている。
単に画面が豪華というだけではなく、政治と恋がからみ合って、二人の英雄と一人の美女がたどる運命が波瀾万丈である。
史実として結果は知っていることだが、まったく退屈せずに観ることができた。
クレオパトラがローマへあらわれる場面は有名。
その豪華絢爛ぶりは、やはりすごい。
女王の行列のきらびやかな踊りやパフォーマンスは、近頃のオリンピック開会式のセレモニーに影響を与えたのではないかと思うほど。
そして、クレオパトラは巨大なスフィンクスに乗ってあらわれるのだが、そうだ、これは紅白歌合戦の小林幸子に影響を与えたに違いない(笑)。
レオパトラと言えば、あの独特のアイ・メークをしたエリザベス・テーラーの顔が浮かぶ。
それぐらいテーラーの堂々とした女王ぶりは見事だった。
決して失敗作などではないと思う。
あの時代の映画を語る上では外せない1本で、映画ファンなら一度は観ておいてよい作品だと思う。
ところで、リメイク版の監督はジェームズ・キャメロンで、クレオパトラ役は、なんと、なんと、アンジェリーナ・ジョリーとのこと!
いわれてみれば、英雄を一目で虜にする魔性があって、高飛車な雰囲気もあって、たしかに彼女ほどクレオパトラ役にふさわしい女優は他にいない。
さて、どんなアイ・メークのクレオパトラとなってくれるのか、楽しみ。