あきりんの映画生活

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「幸せのレシピ」 (2007年)

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2007年 アメリカ 104分
監督:スコット・ヒンクス
出演:キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、 アーロン・エッカート

温かい人間ドラマ。 ★★★★

ドイツ映画「マーサの幸せレシピ」のハリウッド・リメイク作。
オリジナルが好かっただけに、お気に入りのゼタ・ジョーンズだけれども、どうかなあ?と、見はじめる前には一抹の不安もあった。
しかし、それはまったく杞憂に終わった。こちらも充分に好かった。

ケイト(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)はNYで高い評価を受けている女流シェフなのだが、その一方で我が強く、他人との協調性に欠けているような人物。
気にくわない客とは平気で喧嘩もしてしまう。
店のオーナーもその腕を高く評価しながらも、定期的に精神セラピーをケイトに受けさせるほど。

そんなケイトが、突然交通事故死してしまった姉の子ゾーイを引き取ることになる。
亡くなった母を偲んで自分の殻に閉じこもるゾーイ。子供なんかと付き合ったことのないケイト。
どちらも相手におずおずと手を伸ばすのだが、どちらもどうやって差しのべられた手を握ったらいいのかが判らない。
傷つきやすい二人の思いがすれ違ったりする。観ていて切なくなる。

そこにあらわれるのが、副シェフとして新しく雇われた陽気なニック(アーロン・エッカート)。
彼は厨房でイタリア・オペラをかけ、周りの皆と明るくやるような人物。だから当然ケイトとは性格が合わない。
さあ、ケイトとニックは、そしてケイトとズーイはどうなる?

ストーリーはオリジナルを忠実になぞっている(最後だけがちょっと違っている。アメリカ的?)。
しかし、だからといって退屈することは全くなかった。
全体の雰囲気はやはりハリウッドぽく(どんなんや?)なっていて、なんの抵抗もなく観やすい。
ゼタ・ジョーンズはキリッとした感じの男勝りな性格でありながら、その反面、精神的なもろさを持った人物像を上手く演じていた。

ケイトとニックが目かくしをしてソースを味見して、その材料を当てるゲームをする場面がある。
腕のいい料理人同誌が、相手の力量を認め合っていることがよく判って、格好良い。
最後にこのゲームが洒落た小道具としてもう一度出てきて、ニコッとさせられる。

少し小憎らしい人物も出てきますが、基本的には良い人ばかりが出てきます。
だから、疲れたときにも心地よく観ることができる映画です。
マーサの幸せレシピ」もお勧めです。