あきりんの映画生活

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「情婦」 (1954年)

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1957年 アメリカ 116分
監督:ビリー・ワイルダー
出演:チャールズ・ロートン、 タイロン・パワー、 マレーネ・ディートリッヒ、 

法廷ミステリーもの。 ★★★

法廷ものの傑作とされている映画。
原作はミステリーの女王、アガサ・クリスティの短編小説「検察側の証人」。原作者自身によって戯曲にもなっている。

金持ちの未亡人殺人容疑をかけられたレナード(タイロン・パワー)は、老齢のやり手弁護士ロバーツ(チャールズ・ロートン)に弁護を依頼する。
裁判がすすむうちに、検察側の証人としてあらわれたのは、なんとレナードの妻クリスティーネ(マレーネ・ディートリッヒ)だった。
彼女の証言は? そして、彼女の真意は?

見ている者も、果たしてレナードは犯人なのか、そうでないのか、裁判の進行をみつめることになる。
一体どうなるのだ?
とにかく極上の物語なので、これ以上のストーリーを書くわけにはいかない。
(映画の終わりに、未見の人に結末を話さないで下さい、とのお願いが出たことで当時は話題になった)。

もし、クリスティの原作を読んでいなければ、この映画のおもしろは120%になるだろう。
残念なことに私は原作を読んでしまっていた。
だから、どのような結末が待っているのかを承知の上でこの映画を観た。
それでも充分に映画そのものを楽しむことができた。

それには主役とも言うべき弁護士と、その体調を心配する看護婦などの人物描写が大きく寄与している。
ワイルダー監督の演出は秀逸で、ストーリーだけではない映画独自の面白さを創り出していた。

まだこの映画を観ていない人には、ぜひとも勧めたい作品のひとつです。