1985年 イギリス 122分
監督:ジョン・グレン
出演:ロジャー・ムーア、 タニア・ロバーツ、 クリストファー・ウォーケン
007の14作目。 ★★☆
7つの作品で007を演じたロジャー・ムーアの最後の作品。
このとき、彼は57歳だったそうな。上品なジョークや身のこなしは頑張っていたけれど、そりゃ、そろそろ交代のお歳ではあったわけだ。
今回の悪役(クリストファー・ウォーケン)は、人工的に教育された悪の天才。ICチップ産業の独占を狙って、シリコンバレーを水没させるという途方もない画策をする。
冷酷な悪役どころなのだが、ちょっと線が細かったような気がする。
それを補って余りあった迫力だったのが彼のボディガードの、角刈り、筋肉マッチョの黒人女性(グレイス・ョーンズ)。
これはすごいよ。女っ気なんて全くなし。
それでいてボンドの寝室にやってきて迫る。恐いっ! それに応えるボンドもすごいっ!
物語としては、冒頭の雪山での追いかけっこ場面(お約束の感じが否めなくなっている)あり、消防自動車を使ったカー・チェイス場面あり、炎に包まれるエレベーターからの脱出場面あり、高い吊り橋の上での格闘場面ありで、退屈させない。
ただ、どれも切り口に目新しさがない。
面白いのだけれども、ただそれだけで終わっている。残念。
ボンド・ガールのタニア・ロバーツは、TV版「チャーリーズ・エンジェル」に出ていた人らしい。
清楚な美人なだけれども、印象は今ひとつ薄かった。
(なにせ、黒人マッチョ女の迫力がすごすぎたので・・・。)
時間があって、気分転換でもしたいなあ、というときに・・・程度かな。