あきりんの映画生活

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「イン・ハー・シューズ」 (2005年)

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2005年 アメリカ 131分
監督:カーティス・ハンソン
出演:キャメロン・ディアス、 トニ・コレット、 シャーリー・マクレーン

容姿、性格が正反対の姉妹のドラマ。 ★★★☆

真面目な姉ローズ(トニ・コレット)は頭脳明晰な弁護士なのだが、容姿に自信が持てないでいる。
妹のマギー(キャメロン・ディアス)は容姿端麗なのだが、本を読むことは苦手、計算も満足にできない。
この姉妹が反発しながらも、それぞれの自分の生き方を見つけていくというのが大筋。

それにしても、妹のマギーはどうしようもないほどのダメダメぶり。
手癖は悪いわ(平気で小銭を盗む)、いい男と見ればすぐにちょっかいを出すわ、努力はしないわ、自分勝手きわまりない。
もううんざりしてしまうような人物像である。

キャメロンが演じていたのでまだ許せたが、これが他の女優さんだったら、あまりの腹立たしさに見るのを止めていたかもしれない。
それぐらい非道いだめだめぶり。

そんな妹をかばい続けてきた姉のローズだが、ある事件をきっかけについに愛想を尽かす。
ま、マギーにも同情するところはあって、幼い頃にある事件で母を亡くしていて、継母は冷たくあたるし、父親はかばってくれない。
姉だけが唯一の理解者だったのに・・・。
それなのに、あんなことをしてしまうなんて。あ~あ、言わんこっちゃない。

仕方なく、マギーは生き別れになっていた祖母(シャーリー・マクレーン)を訪ねて老人ホームへいく。
そこへ移ってからのマギーが可愛い。
お年寄りのアイドルである。
そりゃそうだろうなあ、キャメロンがホット・パンツで歩いたり、ビキニの水着で泳ぐのだから。
でも、全くいやらしくない。
明るく、健康的。だからお年寄りにも喜ばれたのだろうな。

祖母役のシャーリーズ・マクレーンがさすがの存在感。
どうしようもない孫娘を甘やかさず、かといって突き放しもせず。
実にいい感じでマギーを支える。

マギーも老人ホームで真面目に働き始め、姉のことを思いやるようになる。
そんなマギーを支える老人たちが、また良い味を出している。
人生の達人といった雰囲気である。
なかでも、難読症のマギーに詩を読んでくれるように頼む盲目のおじいさん(元大学教授だったのだよ)が、好い。

一方、姉の方も弁護士の仕事に嫌気がさして、なんと犬の散歩係をするようになる。
人間として肩肘をはっていたところがなくなって、次第に角が取れてくる。人間味が出てくる。

ちょっと予定調和的な展開にも思えるのだが、姉妹はふたたび理解し合うようになる。
というか、二人がそれぞれに成長して、新しく理解し合うようになる。
このあたりは実に清々しく観ることができる。
ああ、好い映画だなあ。

原題は、”人の靴を履いてみないと、その人のことは理解できない”、というような意味らしい。
で、最後、姉の結婚式でマギーがちょっとしたサプライズをする。
思わず、涙。

監督は、あのサスペンス映画の傑作「LAコンフィデンシャル」の人と知って、びっくり。
こんな映画も撮るんだ。