あきりんの映画生活

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「ゴーン・ベイビー・ゴーン」 (2007年)

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2007年 アメリ
監督:ベン・アフレック
出演:ケーシー・アフレック、 ミシェル・モナハン、 エド・ハリス、 モーガン・フリーマン

サスペンスもの。 ★★★☆

ベン・アフレックの監督第2作「ザ・タウン」がしっかりとした作りで楽しめたので、第1作も観てみようかと。
と思ったら、驚いた。断然こちらの方が良いではないか。
そうか、この第1作でのこの出来映えなら、第2作も期待されたわけだ。納得。

恋人同士で私立探偵をしているパトリック(ケーシー・アフレック)とアンジーミシェル・モナハン)のもとへ、4歳の少女アマンダの誘拐事件の捜査依頼が来る。
TVでも同情的に連日取り上げられる少女誘拐事件だったが、実はアマンダの母親ヘリーンは育児を半ば放棄していたような酷いシングル・マザーだった。

登場人物がよく描けている。
パトリックは舞台となったボストンの根っからの育ちで、それなりの裏人脈も持っていて、聞き込みなどをしていく。
(ただ、作中でも言われていたが、ケーシー・アフレックが役柄にしてはちょっと若く見えすぎた。高校生ぐらいに見えるときもあって、リアル感に欠けたのは残念だった。)
パトリックたちとは別に、警察も捜査に当たっているわけだが、こちらの刑事2人(エド・ハリス、ジョン・アシュトン)も人間性がよくでていた。
部長刑事のモーガン・フリーマンの存在感は言うまでもない。

登場人物の描きかたといえば、アマンダの母親ヘリーン(エイミー・ライアン)の描き方も秀逸。
観ている方がイライラしてくるような酷い母親ぶり。日本でも実際に居そうな生々しさだ。
(向かいに住んでいるヘリーンの女友達がまたむかつくような奴なんだよね)
そこまで思わせるということは、作り方が巧みな証拠だろうなあ。

前半は私立探偵と刑事がいがみ合いながらも誘拐事件を捜査していくというサスペンスもの。
ところが後半に入り、映画の流れは一転する。
あっと言うような人間ドラマに入り込んでいく。

(以下、ネタバレにつながってしまうかもしれません。ご注意。)

この結末をどう捉えたらよいのだろうか。
法律と道徳。なにを基準にして考えればよいのか。
パトリックの選択は正義だったのだろうが、その選択で誰が幸せになったのだろうか。
誰も幸せにならなかったのなら、それは正義ではあっても誤った選択だったのではないだろうか。

最後の場面、独りで部屋に残されたアマンダの姿が苦い後味を残す。
ベン・アフレック監督、やるなあ。