あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「彼女を見ればわかること」 (1999年)

イメージ 1

1999年 アメリカ 110分 
監督:ロドリゴ・ガルシア
出演:グレン・グローズ、 ホリー・ハンター、 キャシー・ベイカ
    キャリスタ・フロックハート、 アミー・ブレネマン、 キャメロン・ディアス

女性を描くオムニバス。 ★★★☆

ちゃんと自立した生活をしているのだけれども、どこか生き方が満たされていない寂しさを抱えている、そんな5人の女性を描いたオムニバス映画。
監督は男性だが、なるほど、と思わせる女性の心の翳りを捉えていた。

認知症の老母をひとりで介護している女性医師(グレン・グローズ)は、女占い師に運勢をみてもらうのだが、自分で認めたくなくてごまかしていることを言い当てられてしまう。
不倫相手との間で妊娠してしまった銀行の女性支店長(ホリー・ハンター)は、駐車場で話しかけてくるホームレスのお婆さんから思いがけないプレゼントをもらう。
シングル・マザーの作家(キャシー・ベイカー)は、向かいの家に越してきた小人に何故か心惹かれていく。
死期がせまっているレズの恋人を見守る女占い師(キャリスタ・フロックハート)の日常も、どこか淀んでいる。。
盲目の美しい妹(キャメロン・ディアス)と暮らしている女性刑事(アミー・ブレネマン)は、妹の世話をするために自分の恋を諦めていると指摘される。。

どの逸話も淡々と綴られている。添えられている音楽も静かで、どこかもの寂しい。
5人は同じ街で生活をしているようで、各話の登場人物が交差する。
これがオムニバス映画では楽しい所でもある。

たとえば、グローズの家にやってきて占いをするのはフロックハートであるし、ハンターの堕胎手術をおこなうのはグローズである。
ハンターが行きずりの情事のように付き合うのは部下のウォルターなのだが、キャメロンがデートをするのもウォルターである(このウォルター、脇役のくせにあちらこちらでやけに登場してくる)。
ロックハートの瀕死の女友達が向かいの家で飼われているカナリアのことを言うのだが、それはウォルターの家なのである。
刑事であるブレネマンが捜査で訪れる病院の受付には、ベイカーの向かいに越してきた小人が座っている。

このようにある物語では脇役だった人物が、別の物語では主人公になっている。
どんな市井の人にも、その人を主人公にしたその人の物語があるわけだ。

そんな特別ではない人の日常の断片を切りとって、その描かれた事柄の前後につながっている人生を感じさせている。
どの逸話にも華やかさは全くなく、どちらかと言えばやりきれなくなるような閉塞感さえ漂っている。
それでも、見終わったあとで良質のドラマを見たなというずっしりとしたものがある。
少し辛くはなりますが。