あきりんの映画生活

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「オーロラの彼方へ」 (2000年)

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2000年 アメリカ 117分
監督:グレゴリー・ホブリット
出演:デニス・クエイド、 ジム・カヴィーゼル、 エリザベス・ミッチェル

タイム・パラドックスもの。 ★★★★

珍しいオーロラが夜空にかかった日に、警察官のジョン(ジム・カヴィーゼル)は父の遺品である無線機からの声を聴く。
それは、30年前に殉死した消防士の父、フランク(デニス・クエイド)の声だったのだ。

過去の悲しいできごと、辛いできごとを、何とか回避したい。
過去のその時点に戻ってもう一度違う方向へ進みたい。そうして辛いできごとを回避したい。誰にでもそんな願望はある。
しかし、過去に介入したら現在はどんな風に変わる? はたして望んだように変わってくれるのだろうか?

オーロラが磁場を歪め、一つの無線機で今と30年前の世界が交信できてしまったのだが、誰だってそんなことが起きるとは考えもしない。
無線機で話している相手はいったい誰なのだろうと訝しむ。
やがて話している相手が誰であるのかを気づくあたりは、とても惹き込まれる展開だ。
タイム・パラドックスものはこうでなくっては。

この作品の設定では、世界はパラレル・ワールドという考え方ではなく、時空は一つにつながっているようだ。
だから、過去のあるできごとが変わると、直ちに今の世界も影響を受けて変わる。
これはずいぶんとダイナミックで、楽しませてくれる。
たとえば、30年前にフランクがあるものを隠せば、その場所からジョンは今そのものを手に入れることができる。これはわくわくするような設定だなあ。

さて、ジョンと話をした2日後に、実はフランクは火事の現場で殉死してしまう運命であることを(当然、フランクは知らないが)ジョンは知っている。
で、なんとか父親が死なないように過去への介入をおこなう。
具体的には、父親に、火事の時に30年前とは逆の方へ逃げろと教える。

さあ、どうなる。
過去が変えられる。すると今も変わる。いや、変わってしまう。
過去の悲劇を免れたと思ったのに、フランクが生きのびたために今度は別の悲劇が起こってしまう。今度は母親だ!
さあ、どうする。

過去の悲劇を変えようとして、実際に主人公が過去へタイムスリップするのは「バタフライ・エフェクト」だった。
あの映画はパラレル・ワールド的な感じで、過去を変えるとまったく違う今になってしまう。
あれも面白かった。

ネタバレになるので詳しくは書けないが、終盤は手に汗握るサスペンス・タッチとなる。
絶体絶命の状況にジョンが追い込まれたとき、ある奇跡のようなできごとが提示される。
そうか! なるほど、そうだったのか! うん、うん、なるほど。

大円団を迎えた最後の場面は和やかで、「バタフライ・エフェクト」の苦さをともなったものとは,まったく異なった結末の付け方でした。
好かったなあ。

皆さん、禁煙しましょうね(笑)。