あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「トゥルー・グリット」 (2010年)

イメージ 1

2010年 アメリ
監督:コーエン兄弟
出演:ジェフ・ブリッジス、 ヘイリー・スタインフェルド、 マット・デイモン

復讐の西部劇。 ★★★☆

コーエン兄弟作だから、ある程度の奇妙さを覚悟して見はじめたのだが、驚いた。
これは感心するほどにきっちりと作られていた。
まったく正当派の映画ではないか。よく出来ている!

父親が不当に殺された少女マティ・ロス(ヘイリー・スタインフェルド)は、健気に父の遺体を引き取り、仇を討つ決心をする。しかし、犯人のチェイニーは無法地帯に逃げ込んでしまう。
マティは、大酒飲みだが腕は確かな隻眼のベテラン保安官コグバーン(ジェフ・ブリッジス)に犯人追跡を依頼し、自分も同行することにする。

14歳という役柄のヘイリー・スタインフェルドを初めて観たが、大人に負けまいと必死に背伸びしていて、それでも随所に幼さが見え隠れする少女を演じていて、そのアンバランスさがとてもよかった。
この人は伸びるのではないだろうか。

ジェフ・ブリッジスが酒飲みの年取った保安官。
無骨で大雑把なようなのだが、やることはきっちりとやる。
復讐の板目の追跡も、もともとはお金に釣られての請負仕事だったのだが、次第に金銭抜きでマティのために、と頑張りはじめる。男だねえ。

途中から、チェイニーをやはり追っているレンジャーのマット・デイモンも仲間に加わる。
口髭のせいもあって途中まで気づかなかった。あれ、デイモンだあ(笑)。
サッカ-選手になったり、アメリカ軍兵士になったりと、最近はいろいろな役柄を、どれも自然体でこなしている。どれも大したものだ。

待ち伏せがあったり、荒野での撃ち合いがあったり、デイモンのライフル銃へのこだわりもあったり、終盤ではあっというようなハラハラ場面もあったり、
最後までまったく緩むことがない映画だった。

コーエン兄弟、人を食ったような映画が本領かと思っていたのだが、真面目な映画もやるときはやるんだ(笑)。
大した才能だなあ。

しかし、肝心の”仇討ち”の意味が素直に描かれていないところがコーエン兄弟らしいといえば言えるのかも知れない。
少しほろ苦い後味を残す後日談も、他の監督だったら加えなかったのではないだろうか。