1991年 イタリア 90分
監督:ガブリエレ・サルバトス
出演:ヴァンナ・バルバ
ゆる~い反戦映画。 ★★★
タイトルからは少女趣味の甘い楽園ものかと思ってしまう。
しかし、一応は戦争を背景としており、主役も8人のイタリア兵。しかし、の~んびりした全くの牧歌的な作品。
なんだ? この作品は?
第二次世界大戦のさなか、エーゲ海の小島に8人のイタリア兵が監視目的で上陸してくる。
ところが上陸後に船は撃沈されてしまい、持って来た無線機も壊してしまう。帰るに帰れない、外部からはまったく隔絶されてしまった。
あれ。どうしよう?
島の男たちはドイツ軍が連れていってしまったので、残されているのは女性と子供と老人だけ。
エーゲ海の小島はどこまでも明るく、どこまでも穏やか。
戦火なんてどこか遠い世界の話となり、兵士たちは島の住民とサッカーをしたり、頼まれて教会の修復をしたり、おまけに、私は娼婦よ、という女性まであらわれる。
こんな生活はユートピアではないか?
8人の兵士たちの個性も描き分けられていて、誰も憎めないユーモアをたたえている。
ということで、この映画の要は、戦時中という情勢下のスローライフを描いて戦争の意味を考えさせようとしたところなのだろうなあ。
しかし、そんな小難しいこともどこかへ行ってしまうほどにのんびりとしている。
映画の終わり近く、自由に楽しく暮らしていた彼らだが、ある日不時着した飛行機のパイロットからもう3年の歳月がすぎていて、戦争が終わっていることを知らされる。
彼らが世間へ戻る日がやってきてしまったのだ。
後日談まで語られて、最後はあの生活の日々へのノスタルジーが感じられます。
アカデミー外国語映画賞を受賞しているそうです。へえ~。