1989年 香港
監督:ジョン・ウー
出演:チョウ・ユンファ、 サリー・イップ、
香港ノワールもの。 ★★★
タイトルに「男たちの挽歌」と入るが、あのジョン・ウー監督、チョウ・ユンファ主演の名作「男たちの挽歌」シリーズとは関連していない。
しかし、これも同じ顔ぶれで負けじと頑張った殺し屋もの。
引退を決意した殺し屋ジョン(チョウ・ユンファ)は、最後の仕事のときに誤って居合わせたクラブ歌手ジェニー(サリー・イップ)を失明させてしまう。正体を隠してジェニーを守るジョン。
そのジョンを、今までは雇っていた組織が殺そうとし、一方で執拗な刑事が追い詰めてくる。
教会に白い鳩が飛び、宿敵とは至近距離で銃を向け合う、そして二丁拳銃、白いマフラーと、ジョン・ウー映画ではお馴染みの(嬉しい)場面が満載。
スローモ-ションを多用した激しい銃撃戦は半端ではない。
これでもかと言うぐらいに撃つ。撃ちまくる。
好いねえ。
そこにかぶさるのが、観ていて恥ずかしくなるぐらいにベタな男同士の友情。
親友のシドニーは、友達を撃つことは出来ない、とか、友達との約束は必ず果たす、といって、ジョンとの男同士の友情のために死んでいく。
もうクサいのだが、それがまたよく似合っている映画。
ジョンを追っていた刑事も、いつしかジョンに共感して共に闘う仲間となる。
これまたベタな展開だが、それが男っちゅうもんよと言いたくなる雰囲気で平気で押してくるものだから、そのまま呑み込まれてしまう。
すべては(美しい)銃撃戦のために(笑)。
よく考えれば、親友のシドニーはビール瓶やコップももてないほどに右手を怪我して殺し屋を引退したはずだったのに、後半になるとその右手で拳銃を握って大活躍をする。あれ?
でも、まあ、そんな細かいことはどうでもいいや。
あのすさまじい銃撃戦をもう一度観たくなるような、そんな作品。
乱れ飛ぶ薬莢や、銃撃戦のアクションをスローモーションで捉えた映像など、後のハリウッド映画にも少なからぬ影響を与えたとされる作品です。