1995年 アメリカ
監督:ロバート・ロドリゲス
出演:アントニオ・バンデラス、 サルマ・ハエック、 ブシュミ、 クエンティン・タランティーノ
ラテン系バイオレンス・アクション。 ★★★
とにかく土埃だらけで、汗臭い。
男の体臭がぷんぷん。学生時代の運動部の部室を思わせる雰囲気。
バンデラスの長髪も汗でべたついているんじゃないかと思えるほど。
恋人を殺され、自分も手を傷つけられてギター弾きを断念したマリアッチ(アントニオ・バンデラス)は、ギターケースに武器を詰め込み、宿敵ブチョを追い求める。
やがて彼の支配する宿場町で、出逢った美女(サルマ・ハエック)に助けられ、助け・・・。
とまあ、こんなストーリーは二の次で。
眼目は銃弾が雨あられと降り注ぐ銃撃戦。まあ、すごい。
二丁拳銃だって使ってしまうぞ。香港にチョウ・ユンファがいれば、メキシコにはバンデラスがいるぜいっ!
そのバンデラス。三白眼でとにかく濃いい。フェロモン出しまくり。
ひ弱な草食系男子がバンデラスの爪の垢を煎じて飲んだら、たちまちに肉食系になること間違いなし。
それぐらいに濃いい(笑)。
妙な狂言回しにブシェミが出ていたり、ちょっと変態野郎的な役柄で(こういうの、好きなんだろうな)クエンティン・タランティーノが出ていたりする。
どちらもあっけなく殺されてしまうが(苦笑)。
ああ、そうそう、”マチェーテ”・トレホもちょい役で出ている。
ついにブチョと対決するクライマックスでは、マリアッチは旧友二人を呼び寄せる。
ギターケースを抱えてやって来たこの二人もすごいぞ。なにせケースの中にはマシンガンやバズーカ砲が仕込んであるのだ。
一人はギターケースを両手にぶら下げてマシンガンを撃ちまくるわ(上下に揺するとマガジンが交換できるようなのだ)、一人はギターケースをひょいと肩に担ぐとバズーカをぶっ放す。
思わず笑えてくるのだが、これは男の子が小さかった頃に遊んだ感じで、嬉しくなってくる。
好いねえ。
おまけにこの二人、あっさりと殺られてしまうのだ。おいおい。
超低予算で作った前作「エル・マリアッチ」が予想外の大ヒットになったために、その何百倍かの予算で本作を作ったとのこと。
お金をかけたけれど、しっかりB級していました(これ、ほめ言葉です)。