2003年 アメリカ 115分
監督:ロジャー・ドナルドソン
出演:アル・パチーノ、 コロン・ファレル、 ブリジッド・モイナハン
CIA内部もの。 ★★★
映画ではFBIとともによく登場するCIAだが、その実体がどんなものなのかはよく知らないままだ。
そんな謎の組織CIAの内部を描いていて、へえ、と思わされる。
有名なエリート校MITを卒業したクレイトン(コリン・ファレル)は、CIAの執拗な勧誘を受け、採用試験を受け、合格をする。
そしてCIA訓練所で教官バーク(アル・パチーノ)による訓練を受けることになる。
この訓練がすごい。
CIAのスポークスマンの協力を得て作られたということなので、かなり近いことをやっているのだろうなと、興味をそそられる。
CIAになるのも容易ではない(当たり前か・・・)。並の神経では務まらない(当たり前か…)。
だいたいが、必死で頑張っていると、これもテストだと言われる。
秘かに好意を抱いていた同僚のレイラ(ブリジッド・モイナハン)までが、自分を騙す訓練をしてくる。
敵に拉致されて拷問を受けて、耐えに耐えて、そうしたら…。
次第に、何がフェイクで何が真実か、まったく判らなくなってくる。すべてが疑わしくなってくる。
並の神経では務まらないなあ・・・。
私のような無垢の、清い心の持ち主には、とても無理な仕事だなあ。リクルートを受けても断るぞ(笑)。
クレイトンがCIAに入ろうと決意したのは、南米で事故死した父親の真の姿を知りたいという気持ちがあったから。
しかし、本当のCIAのスパイは誰にも真実の姿を知られることはないわけだ。スパイは孤独なのだ。
(潜入捜査官を描いた傑作があの「インファナル・アフェア」だったが、あの映画でも自分のことを知ってくれる唯一の人物が死んでしまったら、誰も自分が捜査官だとは証明してくれなくなったわけだ。辛いよなあ。)
そうした布石があってから、ジェームズはいよいよCIA内部の裏切り者を捜しだす密命をバークから受ける。
えっ、レイラが?
もう、何が本当で、何が嘘なのか。誰が味方で、誰が敵なのか。
最後の収め方としては、ちょっと無理があったかなと思わないでもないが、十分に楽しめる作品でした。