あきりんの映画生活

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「ミックマック」 (2009年)

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2009年 フランス 105分
監督:ジャン・ピエール・ジュネ
出演:ダニー・ブーン

脱力系コメディ。 ★★☆

奇妙な登場人物たちが、脱力系の騒動をくり広げる。
でも、騒動の狙いは人類平和に通じる崇高なもの。

父親を地雷で亡くし、自分も銃撃戦の巻き添えで頭に銃弾を受けてしまったバジル(ダニー・ブーン)。
彼は廃品回収をしながら共同生活を送る仲間と一緒に、地雷と銃弾を作っているふたつの武器製造会社に復讐をしようとする。

ということで復讐譚なのだが、どことなく独特のゆる~い雰囲気が漂う。
監督が「アメリ」の人だと聞くと、なるほどなあ、と思えたりもする。
ユーモアと、少し情けない感じがつきまとって、これがフランスのエスプリかと思ったりもする。

バジルを助けてくれる7人の仲間は、それぞれに”発明家”、”計算の天才”、“人間大砲”や“言語オタク”、“軟体女”などといった不思議な特技を持ってる。
彼らの特技を生かして復讐計画をたてて実行していく。
これが格好良さを求めたりすれば、Xメンになったりオーシャンズになったりするわけだが、この映画ではそうはならない。
珍妙な失敗を繰り返したりする。

うわべはドタバタに見えるのだが、主人公を初めとした登場人物たちは、それぞれがなにかしらの哀しみを背負っているように感じられる。
そこが普通のコメディと異なるところ。
あまりに悲しい人生をおくってきたので、滑稽に明るくふるまわないと耐えられない、そんな感じなのだ。
映画全体に独特の哀感が漂っている。

復讐というよりは、ものすごく手の込んだ悪戯、といった感じ。
その悪戯で2つの兵器会社をぎゃふんと言わせる。
終盤の、2つの会社社長を中東のテロ組織(?)が拉致して砂漠のまん中へ連れて行くくだりは、いやあ、やってくれたねえ。

少し黄色みがかった画面の映像はとても洒落ている。どの場面でも絵葉書に使えそうなぐらい。
アメリ」の肩すかし感覚が好きな人にはお勧めです。