あきりんの映画生活

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「山猫」 (1963年)

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1963年 イタリア 161分
監督:ルキノ・ヴィスコンティ
出演:バート・ランカスター、 アラン・ドロン、 クラウディア・カルディナーレ

歴史大作。 ★★☆

巨匠と言われているルキノ・ヴィスコンティ監督の2時間40分を超える歴史大作。
華麗、絢爛豪華、重厚。もちろん貴族的な上品さに溢れていることはいうまでもない。
しかし長い(苦笑)。

1860年ごろのイタリアの情勢をある程度知っていないと、はて、何を騒いでいるのだろう?ということになってしまう。
その頃までのイタリアはそれぞれの地方を貴族が支配していたのだが、ガリバルディ率いる赤シャツ隊が統一のための戦いを始める(昔、歴史の時間に習ったなあ)。やがてその動きは貴族社会を終わらせてイタリア統一王国設立へと向かう。
映画は、その貴族社会の終焉の時代を描いている。

シチリアを治めてきた貴族サリーナ公爵にバート・ランカスター
変化しようとする時代の波を感じながらも、貴族としての矜持を保ったまま、それに抗うこともなく受け容れようとしている。
社会変化に敏感に反応して、生き生きと動きまわる公爵の甥タンクレディアラン・ドロン
その婚約者アンジェリカにクラウディア・カルディナーレ

貴族が生活している城は、ひと部屋ひと部屋の天井が高く広い。
調度品も細かい彫刻をほどこした高級家具ばかり(当たり前や、なにせ貴族なのだから)。
出演者たちの襞の多い衣装も絢爛豪華。

映画の終盤に、たくさんの招待客を招いての大舞踏会の様子が延々と描かれる。
そこでサリーナ公爵は、請われるままにアンジェリーカとワルツを踊る。
ヴィスコンティ監督は、この踊りの場面を撮りたいがためにこの映画を作ったのではないかと思えるほどに、ここは格調が高く、物語性を孕んでいる。

時代に取り残されていく貴族を描いて、たしかに大作である。
しかし私にはいささか冗長にも思える作品であった。

庶民的な私はヴィスコンティとはあまり合わないのかなあ(笑)。