あきりんの映画生活

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「バットマン ビギンズ」 (2005年)

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2005年 アメリカ 140分
監督:クリストファー・ノーラン
出演:クリスチャン・ベール、 マイケル・ケイン、 リーアム・ニーソン
    ケイティ・ホルムズ、 モーガン・フリーマン、 ゲイリー・オールドマン

バットマンの誕生譚。 ★★★★

バットマンについては初期の頃の作品をいい加減に観たことがあるだけで、それほどのファンでもなかった。
しかし、ノーランが監督をしているので、まあ、観ておこうかと・・・。
と、・・・これはなんだ! 素晴らしい映画ではないか!

ゴッサム・シティの大富豪の家庭に育ったブルースだったが、両親は彼の目の前で殺されてしまう。
成長したブルース(クリスチャン・ベイル)はデュガード(リーアム・ニーソン)という男と出会い、ヒマラヤの奥地で“影の同盟”なる謎の集団のもとで心身を鍛える。
ゴッサム・シティへと戻ったブルースは、忠実な執事アルフレッド(マイケル・ケイン)の助言を受けながら、あの黒いコスチュームを身に纏ったバットマンとなることを決意する。

少年だったブルースが井戸に落ちて助け上げられたときに、人は何故落ちるのか、という質問を父にされる。
その答えは、”ふたたび這い上がるため”というものだった。
第3作は「ダークナイト ライジング」だという。この第1作のときから構想を練ってあったのだろうな。すごい。

ブルースに尽くす執事役のマイケル・ケインが、実に好い。
ブルースが、ぼくを見捨てないのかい?と尋ねると、ネヴァ(決して)と答える。いいねえ。
燃えさかる家のなかにブルースを助けに飛びこみ、大きな梁の下敷きになっているブルースに言う、今こそ腕立て伏せの効果を見せるときですぞ。いいねえ。

バットマンの活躍を支えるものといえば、秘密基地、数々の新型武器、バットマン・カーなどなど。
その由来が明かされて準備が整っていくあたりは、もうワクワクしてたまらない。
もちろん007シリーズで言えば”Q”の役割にあたるモーガン・フリーマンも渋い。うれしくなる。

リーアム・ニーソンは師匠役が似合うのだろうか。
ジェダイの騎士では教え子はダークサイドに走ってしまった。今回の教え子は自分の”影の同盟”の敵になってしまった。
せっかく教えたのに、なかなか師匠の思うように行かないものだ(苦笑)。

アクション場面のどこにも不満はない。
最後、父がゴッサム・シティのために心血を注いで作ったモノレールを戦いの場としてクライマックスになだれ込む。
(ここで活躍する良心派警官のゲーリー・オールドマンが、いつもとは違う感じで好演)。
ハラハラドキドキの見応え十分。

アメコミ原作のお子様向け物語かと思っていたら、実にしっかりとした大人用物語となっていた。
アクション大作であると同時に人間性を見つめる哲学性もある。
クリストファー・ノーラン、お見事、大したものだ。

続編の「ダークナイト」は、本作を上回る評価を得ているようだ。
観るのが楽しみ。