あきりんの映画生活

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「北京ヴァイオリン」 (2002年)

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2002年 中国 116分
監督:チェン・カイコー
出演:タン・ユン、 リウ・ベイチー、 ワン・チーウェン、 チェン・カイコー

父息子のドラマ。 ★★★☆

北京を舞台に、息子のヴァイオリンの才能をなんとかして開花させようと尽くす父親と、そんな父親の愛情に応えようとする息子の話。

田舎で蒸らす13歳のシャオチュンは、亡くなった母の形見であるヴァイオリンを大切に弾いていた。
その腕前は北京の音楽コンクールで上位に入賞するほど。
息子の才能をもっと伸ばしてやりたいと、父は必死にお金をため、息子に北京でヴァイオリンの教育を受けさせようとする。

素朴な父親はなりふり構わずにがんばる。
息子にヴァイオリンの個人授業を受けさせる。
この先生が凄いのだか凄くないのだかよく判らないような先生なのだが、悪い人ではない。
皮肉屋で、ちょっと世の中に拗ねているようなところがあるのだが、少年の才能を正しく見抜いている。

すぐ近くに、男をひっかけて暮らしている蓮っ葉な女性がいるのだが、実は彼女も気持ちの優しい女性で、なにくれとなく少年の面倒をみてくれる。
(この女性役は、チェン・カイコー監督の奥さんだとか。へぇ~、若くて綺麗な奥さんだ。)
少年も彼女を喜ばせようと一大決心をしてプレゼントをしたりする。
二人の気持ちの通い合いもほのぼのとしている。

少年役のタン・ユンがとにかく好い。
自然で、大人の女性に憧れてみたりするところも自然で、少しはにかんだような笑顔が好印象。

最初の先生が、私が教えることはもうないと言って、少年は次に音楽教授の指導を受けることになる。
(この教授役をチェン・カイコー監督が演じている。)
この教授は名声もあり、音楽界に顔も利くようなのだが、なにか食えない人物なんだよねえ。
彼も少年の才能を見抜いており、それがために・・・。

父が息子のヴァイオリン教育にそこまで必死になるのには、実はある理由があったのだ。
ふとしたことから、その理由を息子も知ってしまう。
お父さんは・・・そうだったのか、それで僕のヴァイオリンをそれほど大事に思っていてくれたのか・・・。

この映画でもクライマックスに流れるのは、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。
あの 「オーケストラ」 でもクライマックスに流れて、深い印象を与えてくれた曲だ。
教授がコンクールで弾くようにと少年に用意をしてくれた曲なのだが、少年がこの曲を弾くのは・・・。

泣きながら必死にヴァイオリンを弾く少年をカメラがとらえる。
もう、感動ものです。