1959年 フランス 107分
監督:マルセル・カミュ
リオを舞台にしたギリシャ神話。 ★★★
とにかく冒頭からリオのサンバのリズムが画面をおおう。
そして鮮やかな原色があふれる画面のなかで、人々は踊りまくっている。
人生はカーニバル! なのだ。
舞台はあのカーニバルの日のリオ・デ・ジャネイロ。街はお祭り一色。
田舎からやっていたユーリディスは、電車運転手のオルフェと知り合い、すぐに二人は恋におちいる。
しかしユーリディスは死に神に追われており、オルフェには婚約したばかりのミラがいた。
物語はギリシャ神話をなぞらえている。
死に神に追われていたユーリディスは、オルフェの過ちによって死んでしまう。
救急車で連れ去られたユーリディスを追い求めて、オルフェは病院や死体安置所を彷徨う。
霊媒に振り返ってはいけないと言われながらもオルフェは振りかえってしまう・・・。
音楽はボサノバの神様、アントニオ・カルロス・ジョビンとルイス・ボンファ。
流れる曲は、あの有名な「カーニバルの朝」や「フェリシダード」など。
悲劇が済み、街では祭りが終わり、一面のテープや紙くずが風に吹かれている。
祭りのあとの虚しさのようなものが漂っている・・・。
しかし、太陽はふたたび昇る。
サンバはふたたび奏でられる。
また新しいオルフェとユーリディスが誕生する・・・。
ギリシャ神話の悲劇を描いているのだが、舞台をリオにして、映画全体をおおうサンバとボサノバ。
これが独特の高揚感をもたらしている。
陶酔は死へつながっていくかのよう。
他には類をみない作品。
一度は観ておいてよい映画でしょう。