2010年 中国 120分
監督:ジョン・ウー/スー・チャオピン
出演:ミシェル・ヨー、 チョン・ウソン
伝奇武侠もの。 ★★☆
手に入れれば武術の奥義を究められるという達磨大師のミイラをめぐっての、武侠アクション。
この手の映画ではお馴染みの、走るように空を跳び、打ち合わせる剣がしなる。
ワイア・アクションをこれでもかと堪能できる。
時代は明。
転輪王率いる暗殺組織“黒石”が強奪した達磨大師のミイラを、部下だった細雨 (ミシェル・ヨー) が奪い取って姿を消してしまう。
細雨は名前を変え、顔も整形して都の片隅でひっそりと暮らし、やがて心優しい阿生 (チョン・ウソン) とめぐりあい、平凡な所帯を持つ。
なぜ細雨がミイラを奪い、自らを偽った暮らしをはじめたのか、そのあたりの主人公の心の動きの説明は何もない。
観ている者は、どうしてかなあ?と思うのだが、この手の映画ではそんな細かいこと(?)に捕らわれていてはいけない。
なにしろミイラを狙っている奴らは沢山いるのだから、そんなことにかまけていてはいけないのだ(笑)。
面白かったのは、細雨夫婦が悪者武術家集団と鉢合わせをしてしまったときの場面。
夫の阿生を救うために、細雨は封印していた武術で一味をあっという間に倒してしまう。
そりゃあ、細雨は強いのだから。
奇妙なのは、平凡だったはずの妻の驚くべき一面を目にしても、何事もなかったかのように振る舞う夫の阿生。
どこまでも心優しい夫だなあ・・・。
さあ、細雨の正体がばれてしまったから、この後が大変だぞ。
暗殺集団”黒石”の妖艶な殺し屋、奇術の使い手殺し屋、殺傷針の殺し屋が現れる。
アクションに次ぐアクションと、飽きさせない。
そして、観ている誰もがうすうすわかっていた夫、阿生の正体が明らかになっていく・・・。
主演のミシェル・ヨーがさすがに齢を重ねてきているなあと感じられるのがいささか残念だったが、充分に楽しめるものだった。
あれ、そういえばジョン・ウー監督なのに白い鳩が飛ばなかったなあ(笑)。