あきりんの映画生活

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「TIMEタイム」 (2011年)

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2011年 アメリカ 109分
監督:アンドリュー・ニコル
主演:ジャスティン・ティンバーレイク、 アマンダ・セイフライド

SFアクション。 ★★★

文字通りに「タイム・イズ・マネー」の未来社会を舞台にした映画。
この世界では25歳を過ぎると成長が止まる。そして余命は1年となる。
それ以上に長く生きたかったら、働いて自分が生きられる時間を稼がなくてはならない。

これは相当にシビアな世界である。
各自の腕にはその人の余命時間が表示されていて、毎秒ごとに残り時間が減っていく。
残り時間が ”0” になった途端に、家の中だろうが道ばただろうが、どこで何をしていようとばったりと倒れて死んでしまう。

スラム街に暮らすウィル(ジャスティン・ティンバーレイク)は、ひょんなことから100年という時間を手に入れる。
そしていくつもの検問所で大金を払って裕福層だけが暮らす地区へ乗り込む。
そこで大富豪の娘シルビア(アマンダ・セイフライド)と知り合うのだが、余命時間を無限に持つ大富豪たちの不死の生活は惰性そのものだった。

この世界のシステムでおもしろいのは、お金の代わりにキャッシュカードのように腕を差し出すところ。
たとえばバスの運賃が”10分”だった場合、腕を料金場所に当てるとその人の時間が差し引かれるといった案配。
文字通り、命を削って食べ物を買い、乗り物に乗る、という生活である。
う~ん、やっぱりシビアだなあ。

それに時間のやりとりもできる。
腕を接触させて何かをすると、Aの人の時間をBの人へ譲ることができる。(だから、当然時間を盗もうとする強盗がいくらでもあらわれる。)
それはいいのだが、寝ている間に時間を奪われたりはしないのかなあ。心配。

ヒロインのアマンダ・セイフライドを初めて観たのだが、髪型やアイ・メイクの関係で深田恭子に似て見えたのは嬉しかったところ。
調べてみると、彼女は「赤ずきん」の主人公も演じていた。あのポスターの眼の印象的な女の子だったんだ。
おや、「クロエ」にも出ている。売れっ子なんだ、知らなかったなあ。

(以下、ネタバレ)

理不尽で極端な貧富の差への怒りから、ウィルとシルビアは、なんと時間強盗を働くようになる。
まるでボニー&クライド。ものすごい展開(笑)。

”人の命はお金にはかえられない”というのは、誰もがそう思っている倫理観だろう。
しかし、世界では貧しいが故に死んでいく人が大勢いる。
薬があれば助かる命が、それを買うお金がないために死んでいく。水があれば生きられるのに、それを供給するお金がないために死んでいく。
現実では、命はお金によって左右されている。
この映画の設定は、それを極端な形であらわしている。

SFアクション映画ですが、ぞっとするような恐ろしい問題提起もされていました。