あきりんの映画生活

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「アジョシ」 (2010年)

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2010年 韓国
監督:イ・ジョンボム
出演:ウォンビン、 キム・セロン

アクションもの。 ★★☆

麻薬密輸騒動に巻きまれた少女を、隣に住んでいた謎の男が助けて大活躍をする。
少女がヒロインなのだけれども、結構バイオレンスな場面が(ちょっとグロい場面も)出てくるので、お子様は見てはいけません(苦笑)。
”アジョシ”というのは、おじさんという意味とのこと。

うらぶれた質屋のテシク(ウォンビン)は 寡黙で人付き合いもしない孤独な男。
隣に住む少女ソミ(キム・セロン)だけは、そんなテシクを慕ってまとわりつく。
ソミの母親はクラブダンサーだったが、ワケありの麻薬を盗んでしまい、母子は組織に狙われることになる。

少女を演じるキム・セロンは、予告編が印象的だった「冬の小鳥」の主役の子だった。いい味わいの子役。
警察に補導されそうになったソミは、通りかかったテシクに助けを求めるように見る。しかしテシクは知らないそぶりをする。
後になって、ソミは、それでもおじさんのことを嫌いにならないよ、と言う。
幼い少女の健気さにやられるなあ。
純粋さや健気さ、それらが鼻につかない演技をしている。たいしたもの。

登場する悪役団は真から悪い。麻薬密売ばかりか、臓器売買、少女の人身売買・・・。
ソミの母親は犠牲になり、ソミも危なくなる。
こんなことが本当に行われているとは到底思えないが、映画だけの世界にしても、題材となり得るところが怖ろしい。
(邦画でこんな題材を扱ったら、その時点で漫画になってしまうだろう。)

さて主役のテシク。
組織が拳銃を突きつけても全く動じない。それどころか、あっという間に敵を倒す術を身につけている。
この世の中をすねたような男はなにもの?ということになる。
前半はぼさぼさの髪で顔を隠すような世捨て人のテシクだったが、ソミを助ける決心をして髪を切ると、もう戦闘モード満開。さあ、いくぞっ!

この人間嫌いでめちゃくちゃに強いテシクと、どんなに邪険にされてもテシクを慕うソミの、二人の気持ちの交流が要。
設定から誰でも思い浮かべるのはベッソン監督の「レオン」だろうが、あれよりもずいぶんとストレートに描かれている。
それだけ映画の甘さに容易に入り込める。成功しているのではないだろうか。

それにしても、最後近くに取り出される”目玉”! 
まさか・・・とは思い続けていたんだよ。
ちょっとつじつま合わせが苦しかったけれどね(苦笑)。