1963年 アメリカ 137分
監督:マーク・ロブソン
出演:ポール・ニューマン、 エルケ・ソマー
古典的香りのサスペンスもの。 ★★☆
原題は”賞”という単純明快なもので、ノーベル賞の授賞式を舞台に繰り広げられるサスペンスもの。
(邦題の「逆転」の意味はまったくに不明(汗))
内容はヒッチコックばりで楽しめるものになっていた。
脚本を書いた人は、ヒッチコックのあの「北北西に進路をとれ」の脚本家だとのこと。なるほどね。
主人公はノーベル賞文学賞を受賞するポール・ニューマン(ポール・ニューマンが文学賞?と言う気もするが・・・)。
女好きでお調子者の彼が、授賞式に参列するためにストックホルムへやってくる。
何をしでかすか判らない彼の現地での世話役(アメリカの名誉を守るためのお目付役?)がアメリカ大使館員のエルケ・ソマー。
たわいのない喧嘩をしたりしているこの二人が、陰謀に巻き込まれて行く。
ニューマンがホテルで会った受賞者の一人、物理学賞のエドワード・G・ロビンソン博士の様子がどうもおかしい。これは、何かあるぞ。
ま、彼の付き添いの姪のダイアン・ベーカーもきれいだし、ちょっと調べてみるか。
ニューマンは生活費を稼ぐために変名を使って大衆推理小説も書いている。
だから探偵ごっこ好き。綺麗な女性もからんでいればさらに興味津々。
ロビンソン博士の謎を匂わせる電話に出かけてみると、そこには見知らぬ男の死体が。
さらにニューマンは謎の男に追いかけられ、運河に突き落とされたりもする。
こりゃどういうことだ?
巻き込まれ型のサスペンス劇で、見る人は主人公と同じ視線で謎に直面する。
いたるところでヒッチコックを思い出させる雰囲気がある。
ニューマンの役どころは、そのまま「北北西に進路をとれ」のグレゴリー・ペックである。
若々しいポール・ニューマンが甘いマスクで頑張る。
後年のような渋さと言うよりも、お調子者と言うところが楽しい。
相手役のエルケ・ソマーも上品な色気で華を添える。
それにしてもソマーが、最初は女たらしのニューマンを嫌っていたのに、途中からメロメロになるのは何故?
米ソの冷戦時代の陰謀が裏にあるのだが、そんなに堅苦しいものではない。
とても好い感じで観ることができる作品です。