あきりんの映画生活

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「ハゲタカ」 (2009年)

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2009年 日本 134分
監督:大友啓史
出演:大森南朗、 玉山鉄二、 栗山千明柴田恭兵

金融策謀もの。 ★★★

経済学にはまったく疎いので、株式の仕組みがどうなっているのか、どんな要素で株価が動くのか、なんてことは知らない。
だから株の買い占めによる会社の乗っ取りなどということも、どんな策略戦があるのかは、まったく知らない。
しかしこの映画は、そんな経済戦争、会社乗っ取り戦を扱っている。
面白さが分かるかな?

日本の名門会社・アカマ自動車を、中国系巨大ファンドが買収しようと動き始める。
その先兵となったのが残留日本人孤児三世の劉(玉山鉄二)。
それに対抗するのが”ハゲタカ”との異名の鷲津(大森南朗)率いる鷲巣ファンド。
両者の株買い占め合戦が始まる。

少し前に”TOB"という語をニュースでよく耳にした。敵対的株買い取り行為のようなことらしい。
この映画はそのTOBのことがメインなのだが、知識がなくても充分に楽しめた。
なるほど、こんなふうに資金力が問題となるのだな。

中国がまったくの悪者として描かれている。
元はNHKドラマだったとのことで(観ていなかったのだが)、制作にはNHKも名を連ねている。
国営放送がこんなにあからさまに中国を悪し様にしても大丈夫なのかと心配になった(苦笑)。

対立する鷲巣と劉を演じた大森と玉山が、それぞれに好い演技をしていた。
敵である劉だが、個人としては単なる悪ではなく、複雑な思いを抱えている人物として描かれていた。
そこもよくて、すっかり二人とも見直した。

資金力競争となったアカマ自動車株の買い占め合戦は、鷲巣のある作戦で決着がつく。
最後はちょっと感傷的に流れすぎたきらいもあるが、素人でも好く楽しめる映画だった。