あきりんの映画生活

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「ゼロ・グラビティ」 (2013年)

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2013年 アメリカ 91分
監督:アルフォンソ・キュアロン
出演:サンドラ・ブロック、 ジョージ・クルーニー、 エド・ハリス

無重力空間を舞台のSF。 ★★★★

3D映画は当初に何本か観た。「アバター」とか「アリス・イン・ワンダーランド」とか。
その結果、映画は2D鑑賞でいいや、と思っていた。
しかしこの映画は3D上映ばかりだったので、やむを得ず偏光眼鏡をかけて鑑賞。
その結果、この映画は劇場で3Dで観て大正解だった。

登場人物は途中まで2人だけ。後半は1人だけ。
舞台も最後のすこしを除いては音も重力もない宇宙空間だけ。
それなのに、いったいどうなるんだという展開の連続で、ものすごい緊張感。
思わず観ているこちらの手足にも力が入ってしまう。それほどの臨場感。

初めて宇宙空間のミッションに参加したストーン博士(サンドラ・ブロック)。
同行しているのはベテラン宇宙飛行士のコワルスキー(ジョージ・クルーニー)。
冒頭の船外作業の場面からして、素晴らしい。
地球を周回しているスペースシャトルの周りにひろがる宇宙空間は、無重力、無酸素、無音。彼方に青い地球が浮かんでいる。

とその時、ロシアが爆破した衛星の破片が軌道上に散乱し、スペースシャトルにぶつかってくる。
1本のロープでつながった2人は漆黒の宇宙へと放り出さてしまう。
ここから2人の地球へ帰還するための、絶望的とも思える必死の挑戦が始まる。

慣性で宇宙空間を移動する様はリアリティにあふれている。
妙な比喩だが、アイスバーンの上で制御が困難になった車を運転しているような、そんな操縦が思い通りにならないもどかしさと、恐怖があった。

サンドラ・ブロックが熱演。
あの無重力空間での演技をどうやって撮影したのだろうと感心するほど。
アカデミー主演女優賞クラスの演技だったのではないだろうか。
それにジョージ・クルーニーが思っていた以上にはまり役で、ジョークを交えながらサンドラを支えるところは、なかなかに渋かった。

そして、ああ!と思ったのは、一度は離ればなれになったコワルスキーが、「奇想天外なことでさ」とか何とか言いながらふたたびストーンの前に現れた場面。
彼は最後まで彼女を支えてくれたのだ。思わず感涙。

(以下、ネタバレ)

やっとの思いで地球に生還したと思ったら、今度は宇宙には全くなかった海水が命を奪おうとする。おお、こんなことが!
そして最後、やっとの思いで砂浜にたどり着いたストーン博士と一緒に、観ている者も安堵のため息をついた。
大げさに言えば、最後にストーンが立ち上がるところは、地球で生きるとはこういうことだ、とでもいうような映像だった。

おまけの情報:
ブログ友人のどらごんづさんのところで知った動画です。これは映画を観た人なら驚きますyよ。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=0zcYkuIzzy8

91分という上映時間の間中、まさに座席から腰を浮かした中腰状態で観たような気分(まさか、本当にそうだったわけではありませんが 笑)
これはSF映画としては傑作でしょうね。