あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。1800本余りの映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。

「サブウェイ」 (1984年)

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1984年 フランス 104分
監督:リュック・ベッソン
出演:イザベル・アジャーニ、 クリストファー・ランバート、 ジャン・レノ

ベッソンの初期作品。 ★★☆

この頃のリュック・ベッソンは、エンタメ性には未だ無頓着だったようで、自分の撮りたい世界を描いた、という感じ。
注目された「グラン・ブルー」の4年前、出世作となった「ニキータ」の6年前の作品である。

冒頭から粋なカー・チェイスがはじまる。
これは後年の「TAXI」シリーズや「トランスポーター」シリーズにつながっていくところなのだろう。
ベッソンはカー・チェイスがとにかく好きなんだな(笑)。
軽快なアクションものかと思っていたら、追われている金髪男(クリストファー・ランバート)が地下鉄の駅構内に逃げ込んでからはちょっと奇妙な味わいとなっていく。

そこは現世からは隔離されたような地下の世界。
そこに暮らしているのは、ものすごい筋肉を誇示する怪力男や、手にしたスティックで何でも叩いている丸メガネ(!)のドラマー(ジャン・レノ)、万引き常習犯のローラースケート男、などなど。
金髪男は現世と地下の世界を行ったり来たりする。

そして、そして・・・、金髪男に重要書類強奪を依頼したセレブ夫人、イザベル・アジャーニが登場する。
この映画のとき、彼女は30歳前後のはず。冷徹な美しさがすさまじい。
研ぎ澄まされた雰囲気を全身から放っていて、触れた者は凍り付いてしまいそう。
実際の彼女も撮影予定をすっぽかしたりとか、かなりの問題女優だったらしい。
(どこかの国の、舞台挨拶で「べつにぃ~」と答えたあの女優みたい・・・笑)
とにかく不思議な魅力を放っている伝説の女優である。

ストーリーはあるような、ないような。
金髪男が盗んだ書類がどのようなものだったのか、その盗みにどのような意味があったのか、なんてことはまったく触れられない。
ただ金髪男は追われているという状況があるだけ。
そして、迷路のような地下を彷徨い、そこの住人たちと説明不可能な怪しげな行動をしていく。

セレブ夫人であるはずのアジャーニも、もともとは貧しい暮らしだったらしい。
虚飾に満ちたセレブ社会に喧嘩別れをして、金髪男を追って地下へやってくる。

観たばかりなのに、さて、どのような結末だったのかをもう忘れている。
要するに、そんなことはちっとも重要ではない映画。
この映画の奇妙な味わいを楽しむことができるかどうか、そんな位置にある映画。

初期のベッソンはこんな映画を撮っていたのだなということに興味がある人向けです。
そして、なによりもイザベラ・アジャーニの美しさに魅了されたい人向けです。