あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「しあわせの隠れ場所」 (2009年)

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2009年 アメリ
監督:ジョン・リー・ハンコック
出演:サンドラ・ブロック、 kィントン・アーロン

善意のドラマ。 ★★★☆

ゼロ・グラビティ」のサンドラ・ブロックが好かったので、彼女がアカデミー主演女優賞を取っている本作を鑑賞してみた。
主人公のマイケル・オアーは実在するフットボールの花形選手で、この物語も実話に基づいているとのこと。

南部で暮らす裕福な夫人リー・アン(サンドラ・ブロック)は、ある冬の夜にTシャツと短パンで歩いている巨漢の黒人少年マイケル(クィントン・アーロン)を見かける。
見かねた彼女は少年を自宅へ連れて帰る。
幼いころから一人で生きてきたマイケルは、その育ってきた境遇にもかかわらず純真だった。
そして恵まれた身体を生かした人並み外れた運動能力があった。

リー・アン夫人は共和党支持者でライフル協会にまで属しているという典型的なアメリカ南部の白人セレブ。
そんな彼女が貧しい黒人少年を援助して、その才能を開花させることに夢中になる。
偽善といってしまえばそれまでなのだが、意志の強い(多少、独善的な)サンドラの演技がそれをあまり感じさせない。上手い。
要するに偽善とか考えているのではなくて、とにかく私がそうしたいからするのよ、といった思い切りの良さがある。

リー・アン夫人も偉いが、彼女のそういった行為に無条件に賛同する夫も立派。
そしてさらに立派なのが2人の子供たち。
やんちゃな盛りの弟があっさりとマイケルを受け入れるところは判るにしても、多感な年頃である姉にもマイケルを自分の家族として受け入れることにためらいがない。
本当かよ、何も葛藤はなかったのかよ、と言いたくなるほど。

肝心のマイケルを演じたクィントン・アーロンが、巨漢のくせにとても優しい目をしていた。
そして、突然に自分に起こった奇跡のような幸せの展開にとまどうような、どこかおどおどとした雰囲気がよくでていた。

悲しいことは起こらず、悪い人も現れない。
優しい人の心のままに優しく物語が進む。とても心地よい。
こんな善意に溢れた話が事実であり、こんな嘘のような成功物語が事実であることにも驚かされる。

観ている人も温かい気持ちになれるような映画です。