1974年 アメリカ 100分
監督:ジョゼフ・サージェント
出演:ウォルター・マッソー、 ロバート・ショウ
地下鉄ジャックもの。 ★★★
ジョン・トラボルタとデンゼル・ワシントンの駆け引きで見応えのあった「サブウェイ123」のオリジナル。
こちらのオリジナルもよく出来ている。
ニューヨークのの地下鉄が4人の男にハイジャックされた。
先頭車両を切り離し、乗客を人質に取る。
1時間以内に100万ドルを渡さなければ、1分遅れるごとに1人射殺するぞ。
色の名前でお互いを呼び合う犯人グループには理性的なリーダー(ロバート・ショー)もいれば短気なキレやすい男もいる。
彼らに対して交渉をおこなうのが鉄道公安管のウォルター・マッソー。
いつもはとぼけた感じの雰囲気のマッソーだが、本作ではそれが人間的な味わいとなっている。
緊迫した状況下でもどこかユーモアの精神を持っている。
それがこの映画が単なるパニックものには終わっていない要因となっている。
それにしても、ニューヨークの地下鉄の便名が始発駅名と発車時刻の組み合わせになっていることを、この映画で知った。
ニューヨークに出かけたときにきっと役に立つ?(笑)
犯人たちも逃走の計画までちゃんとたてていた。
犯人たちが降りてしまった後に、青信号で突っ走りつづける地下鉄。
暴走地下鉄である。それが物語を緊迫感あるものとしていた。
(以下、ネタバレ)
鼻風邪を引いてくしゃみをしていた犯人のひとり。
電話でのやりとりで、犯人がくしゃみをするたびに「お大事に」と言っていたマッソー。
最後の最後、何気なく口にした「お大事に」でハッとしたマッソ-が閉じかけたドアから、顔をぬっと覗かせる。
この最後は名場面のひとつだろうなあ。
40年前の映画ですが、今でも充分に楽しめる佳作です。