あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。1800本余りの映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「キリング・ゲーム」 (2013年)

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2013年 アメリカ 85分
監督:マーク・スティーブン・ジョンソン
出演:ロバート・デ・ニーロ、 ジョン・トラボルタ

とにかく痛い映画。 ★★☆

家族とも疎遠で山の中で世捨て人のような生活をしているロバート・デ・ニーロ
ある日、鹿撃ちにやってきたというジョン・トタラボルタと知り合う。
意気投合した二人は一緒に鹿撃ちに出かけることになったのだが、トラボルタが狙う獲物は実はデ・ニーロだったのだ。

この二人はボスニア紛争の時に敵味方であり、トラボルタはその時の恨みを抱いてデ・ニーロを探し続けていたのだ。
しかし、かってデ・ニーロがトラボルタに対しておこなった行為も紛争という状況がもたらしたものであり、トラボルタの側も、紛争のせいとはいえ、酷い行為をしていたのだった。
過酷な戦いの状況は、通常の人間性を失わせてしまう。怖ろしい。

最初から最後まで登場人物はこの2人だけ。そして舞台は山の中だけ。
その2人はお互いに弓で相手を倒そうとして戦い続ける。
片方が優位にたったかと思うと、ちょっとの油断で形成は逆転する。
さっきまでは痛い目にあわされていたのに・・・、今度はこちらが痛い目に合わせてやるぞ。

この映画の肝は、お互いの武器が銃ではなく弓というところ。
矢が刺さった時の痛みの感覚が、目では見えにくい銃弾で撃たれた時よりも、リアルに伝わってくる。
矢が刺さったら、痛いだろうなあ。
その上、矢が刺さった足をあんな事にしたり、事もあろうに矢が刺さる場所があんなところだったり・・・。
先端で、刺すわ、刺されるわ、そら痛いわ(川上未映子さん、ごめんなさい 笑)。

人間があんなにまで酷い仕打ちをすることができるのか、と打ちのめされてしまう。
復讐心に燃えるトラボルタはもちろんだが、今はすっかり温厚になっているように見えたデ・ニーロも、負けじと酷いことをする。
戦争状態下での人間性を失ってしまった時の感覚がよみがえっているのだろう。
そうでなければ、あんなことは普通はできないぞ。
逆に言えば、戦争状態というのは、それほどに酷いものだということだ。

お互いにここまでやっておきながら、最後はきれいにまとめすぎたな、という感が否めない。
たとえば、トラボルタがデ・ニーロを倒して、その直後にデ・ニーロが仕掛けておいたトラップでトラボルタも死んでしまう、なんてのはどうだっただろう?
・・・あまりに希望がなさ過ぎるか・・・。

気の弱い方にはお勧めできない映像が次々とあらわれます。お気をつけください。

註:川上未映子(作家、詩人、女優、歌手):小説「乳と卵」で芥川賞受賞 詩集「先端で さすわ さされるわ そらいいわ」で中原中也賞受賞 他にキネマ旬報新人賞受賞、紫式部賞受賞、など