あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです(苦笑)。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。

「ボビー」 (2007年)

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2007年 アメリ
監督;エミリオ・エステヴェス
出演;アンソニー・ホプキンス、 デミ・ムーア、 シャロン・ストーン、 ウィリアム・H・メーシー
    イライジャ・ウッド、 リンジー・ローハン、 アシュトン・カッチャー

運命の日を描く集団劇。 ★★★☆

タイトルの「ボビー」というのは、ロバート・F・ケネディ上院議員のこと。
あのジョン・F・ケネディが暗殺されたあと、跡を継いで大統領選で圧倒的な勝利をすると目されていたアメリカの希望の星だった人物だ。
しかし、その彼も銃弾に倒れてしまったのだ。

この映画は、運命的な彼の最後の一日に、犯行がおこなわれたアンバダー・ホテルに居合わせた人々を描いている。
いわゆる”グランド・ホテル形式”の映画である。
素晴らしい顔ぶれの出演者たちが,それぞれの人生の断片を、それぞれに印象深くみせてくれる。
豪華な、味わいのある映画。

事件の起きる16時間前、アンバサダー・ホテルではケネディを迎える準備におおわらわ。
そんな中でいろいろな人々の人生が交差する。

支配人のウィリアム・H・メーシーは不倫関係にあった電話交換手ヘザー・グラハムとの別れを決意している。
そんなメーシーの妻のシャロン・ストーンは、ホテルの美容師。
ホテルでショーをおこなう歌手のデミ・ムーアが髪をセットしに来たり、結婚式を控えた若い女リンジー・ローハンがネイルをしに来たりする。

実は人気の落ちてきたムーアは、華やかさとは裏腹に酒におぼれた生活をしていた。
リンジー・ローハンの結婚は、同級生イライジャ・ウッドを兵役から逃れさすための偽装結婚だった。

ロビーでは長年ドアマンを務めていたアンソニー・ホプキンスが、友人とチェスをしている。
厨房では親分肌のシェフのローレンス・フィッシュバーンが様々な人種の料理人を指図している。
選挙活動のボランティアをしている大学生たちは、活動そっちのけでLSDで騒いでいる。
裕福な夫婦であるマーテイン・シーンとヘレン・ハントは、精神的に不安定な状態になっている。
ケネディーのインタビュー記事を取りたいと粘るチェコの女性記者もいる。

それまで別々に生きてきた人生が、ある同じ時刻に同じ場所に居合わせて交差する。
どの人生もそれぞれの意味を持っていたことが伝わってくる。

メーシーの髪を切ってやろうとしながら、ストーンが彼の不倫を知ったことを告げる。
椅子の上で身を固くするメーシー。
夫婦のそれぞれの思いが哀しく重なり合う印象的な場面だった。
アンソニー・ホプキンスの風情が、また好い。この人は本当に名優だと思う。

映画の中でケネディ自身はほとんど映らない。最後の方になってやっと登場する。
事件が起き、ケネディが最後におこなった演説に重なってその描写が映っていく。

軽い気持ちで観始めたら、登場人物たちの織りなす人生模様にすっかり魅せられてしまった。
見応えのある群像劇です。