2007年 日本 112分
監督:長尾直樹
出演:堀北真希、 役所広司、 鈴木京香
浮き世離れした家族ドラマ。 ★☆
一家の中心だった母が病の末に亡くなる。
毎日見舞いに行っていた父(役所広司)はその日だけ病院に行っていなくて、おまけにその日から家出をして行方不明になってしまったのだ。
残された高校生のみつこ(堀北真希)は一人で葬式を済ませ、父の行方を捜す。
妻の死を受けいられれなくてすべてから逃げてしまった情けない父親を、役所広司がさすがに上手く演じている。
まったくどうしようもない父親。
健気な堀北真希も、まず好演。
で、駄目だったのはアルゼンチンババア(鈴木京香)。
町外れの奇妙な建物に住みついていたのがアルゼンチンババアと呼ばれているすこしおかしな人物。
その屋敷は言ってみればゴミ屋敷のような感じなのだろう。臭気が漂っているようだ。
父はこともあろうにそのアルゼンチンババアと一緒に暮らしていたのだ。
べつに鈴木京香が悪かったわけではない。
アルゼンチンババアの設定がどうにも浮いてしまっているのだ。
彼女の人物像がまったく描かれていない。そんな彼女に惹かれて(助けられて?)いった父の心情もまったく伝わってこない。
吉本ばななの原作では、どうやらアルゼンチンババアは50歳ぐらいの設定だったらしい。
鈴木京香ではいくら何でも若すぎるし、きれいすぎるだろう。
これはミス・キャスト。映画としてあらわしたいことがそのために奈辺にあるのかが不明瞭になってしまっていた。
物語はふわふわと進んでいくのだが、終盤になりあれよあれよの展開となる。
こんな結末になるのかあ?
どうにも受け入れがたい作品でした。