あきりんの映画生活

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「マージン・コール」 (2011年)

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2011年 アメリカ 106分
監督:J.C.チャンダー
出演:ケビン・スペイシー、 ザカリー・クイント、 ポール・ベタニー、 
    スタンリー・トゥッチ、 デミ・ムーア

金融業界もの。 ★★☆

私は経済にはまったく疎い。不況がなぜ起こるのかもわからない。
だいたいが株の仕組みがまったく判らない。だからリーマン・ショックといわれても何のことやら・・・(汗)。

この映画、どうやらそのリーマン・ショックの発端を描いているようなのだ。
しかし、そんな経済にはとんと無縁の私でも結構面白く観ることができた。
要するに、自分だけは損をしたくない、損は他人に押しつけてしまえっ!という映画。

ある一大投資銀行が舞台。
(ある部長の年収が120万ドル、ざっと1億2000万円という規模の会社です)
この会社では大量解雇がなされていた。リスク管理部門のエリック(スタンリー・トゥッチ)も解雇通知を受けるのだが、会社を去る前にある情報をピーター(ザカリー・クイント)に託す。
その情報を分析したピーターはことの重大さに驚愕する。

実は、会社は大量の不良物件を大量に抱え込んでいたのだった。
そしてこのままでは、会社は資産以上の損失を被ってしまう。つまりは倒産? さあ、どうする?

ここで感心したのが、アメリカのこういった会社の危機管理システム。
平社員のピーターが分析結果を知ったのが夜の9時。
当然ながら、会社にはほとんど誰もいない。
その時間にもかかわらず、ピーターは会社仲間と飲みに行っていた上司(ポール・ベタニー)を会社へ呼び戻す。
その上司は夜の10時過ぎに部長(ケビイン・スペイシー)を会社へ呼び戻す。
そして夜中の2時には社長がヘリコプターで駆けつけ、10数人の重役全員が集まり、緊急会議が開かれる。
そして対策案が議論されて決定されたのが明け方4時。
朝、会社がはじまると同時にその決定対策を開始することになる。
一介の社員のピーターが分析結果を出してからわずか12時間で会社の命運をかける対策が実行されるわけだ。
日本でこれだけの対応の出来る会社があるだろうか。

この映画はここまでの一晩の物語である。
さて、決定されたその対策というのは、不良物件を事実を知らせずに顧客へ売りさばいてしまおう、というもの。
これは酷い。ババ抜きである。
自分が損をするババなら、相手に(騙してでも)引き取らせてしまえっ!

もちろん半日もすれば妙な噂がアメリカじゅうに広がり始める。
1日も経てば、何がババであるかは誰にも知れ渡る。そうなる前に、とにかく売れるだけババを売ってしまえっ!

責任を押しつけ合う重役の一人にデミ・ムーア
「ゴースト」では好い役を演じた彼女だったが、「チャーリーズ・エンジェル」ではあっと言うような悪役だったなあ。
ピーター役のザカリー・クイントといえば、「スター・トレック」のスポック博士。あの特徴的な眉はわざとしているのかと思っていたら、この映画でもあの眉だった。
ということは、自前の眉?(笑)

経済の仕組みに疎い人でも退屈はしません。
お金持ちの人って、こういうことを平気でするからお金持ちでいられるんだ!(笑)