あきりんの映画生活

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「スパルタカス」 (1960年)

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1960年 アメリカ 191分
監督:スタンリー・キュブリック
出演:カーク・ダグラス、 ジーナ・シモンズ、 ローレンス・オリビエ、 
    トニー・カーティス、 ピーター・ユスティノフ

古代史のスペクタクル・ドラマ。 ★★★

冒頭に、なんと前奏曲と称して映像なしでの音楽だけが4分近く流れる。
知らないで観始めた人はDVDの調子が悪いのかと勘違いしてしまいそう(笑)。
(もちろん3時間あまりの大作なので、あの頃の映画にときどきあったように途中で休憩が入ります)

今の時代には、こんなにもどっしりと腰を据えた作品は作れないだろうし、作ろうとも思わないだろう。そんな作品。

時代は紀元前1世紀の古代ローマ帝国
この国の王族や金持ちの生活を支えていたのは、占領国から連れてきた奴隷たちだった。
奴隷は物と同じように売買され、中で肉体的に優れた者は剣闘士として見世物の戦いを強制された。
この映画の主人公は、その奴隷の剣闘士スパルタカスカーク・ダグラス)。
彼が奴隷たちの先頭にたって起こした有名な反乱劇を描いている。

同じ史劇もので英雄を描いた「ベンハー」に比べれば、物語は比較的単純で、一直線に進む。
しかし、CGのない時代にあの合戦場面は見事としか言いようがない。

しゃくれ顎のカーク・ダグラスは、マイケル・ダグラスのお父さん。同じしゃくれ顎といい、よく似ているなあ。
奴隷反乱軍の方はスパルタカス一人しか描かれていないようなものだったが、ローマ陣営の方は人物像がそれぞれにきちんと描かれている。
彼らがユニークで面白い。
対立する元老たち(さすがのローレンス・オリビエなど)や、小ずるい奴隷商人(ピーター・ユスティノフ)など、もそれぞれに好い味だった。

監督がスタンリー・キュブリックであることは、見終わってから気がついた。
未だ彼が新人の頃だったようで、映画作成への発言力は大スターだったカーク・ダグラスの方が強かったらしい。
そのために、キュブリックとしてはかなり不満の監督作だったとのこと。

堂々の3時間超えのドラマ。
武器や装甲などでも劣っている奴隷の反乱軍は、武力の差はいかんともしがたく、ローマ軍の前に敗れ去る。
磔となったスパルタカスだったが、逃げのびていく妻や子の姿にはほっとさせるものがあった。

ベン・ハー」とか「クレオパトラ」、「ローマ帝国の興亡」といった史劇が好きな方にお勧めの映画です。