あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「さらば、愛の言葉よ」 (2014年)

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2014年 フランス 69分
監督:ジャン・リュック・ゴダール

難解3D映画。 (とりあえず)★★★

ヌーベルバーグの巨匠と言われたJ・L・ゴダール監督。
私も(ご多分に漏れず)学生のころに傾倒した。「気狂いピエロ」は今でも★5つ評価の作品である。
そのゴダールの最新作。なんと3D。

1時間あまりの短い映画なのだが、ぐったりととても疲れた。
というのも、・・・難しすぎる! 
あまりに判らないものだから、非常に気を張って観た。で、疲れた。

どうやら2組の男女が出ているらしい (らしい、と書くのも、この2組の見分けもよくつかないのだ 苦笑 わざとそうしている?)
暴力的な夫から逃れた女と、気ままな独身男のカップル。これが2組?

ゴダール自身による概要では・・・
「ある人妻と自由な男が出会う。二人は愛し合い、口論し、拳がふるわれる。一匹の犬が街と田舎を彷徨う。季節がめぐり、二人は再会する。」

映画は同じような映像が2回くり返されたりする。
しかし、登場している役者は別の人物なのだ。ゴダールよ、君は何が言いたいんだ?(苦笑)
1回観ただけでは物語の概要も掴めやしない。ぶつぶつ。

しかし、相変わらず色彩は鮮やかで、画面は美しい。
どの画面を切りとっても絵になっている。絵はがきのよう。すばらしい。

犬が彷徨う場面が随所に挟み込まれるが、この犬が登場人物達と一緒に映ることはない。
ゴダールが、彼の飼い犬の散歩している様子を撮り溜めていた映像を、物語の間に挟み込んだとのこと。
お得意のコラージュだったのか。

さらに3D。ゴダールのことだから、3Dを普通に使うわけがない。
彼はヌーベルバーグのころ、「勝手にしやがれ」のように、映画の既成概念を壊すような作品を撮った。
今度は3Dの既成概念を壊すような使い方をしている。

普通は、3Dでは画面を立体に見せるために左右の画像を奥行きに合わせてずらせてみせる。
ところがゴダールは、左右の目に違う画像を見せようとしているようなのだ。
両目で見ていると、いきなり訳の分からない重なった画像が見える部分があった。なんだ、これは?
自分の目がおかしくなったのかと、片目を閉じたら、どうも左右では違う画像をみせようとしているらしい。なんだ、これは?
偏光眼鏡でこんな風に映像を見せるのか。
そうならそうと、はじめに断ってくれよ(汗)。

1回観ただけでは訳が分からない映画。
どうしてももう一度観たくなる映画。
しかし、DVDにしたときにあの3D映像はどうするのだろう? 果たしてDVDにできるのだろうか? 心配。