2007年 アメリカ 95分
監督:ガボア・クスポ
出演:ジョシュ・ハッチャーソン、 アナソフィア・ロブ
少年と少女の夢の王国。 ★★☆
学校では苛められ、家では親からあまり可愛がってもらえない。
そんな孤独感を抱いた少年ジェス(ジョシュ・ハッチャーソン)が主人公。
ある日、隣に越してきた家の少女レスリー(アナソフィア・ロブ)もちょっと変わった子だった。
仲良くなったジェスとレスリーは、森の中に自分たちだけの夢の王国を作る。
周りからは浮いたような存在の少年と少女が自分たちだけの世界を作る、といった内容の作品としては、「ムーンライズ・キングダム」があった。
あちらが奇想天外なポップな夢の世界だったのに比べて、こちらは少し切ない情感のあふれる夢の世界だった。
タイトルの”テラビシア”とは、二人がつけた夢の王国の名前。
そのテラビシアに行くには川を渡らなければならない。
太い縄にぶら下がって川を越えるのが二人のやり方だったのだが・・・。
閑話休題。
映画とは関係のない私事なのだが・・・。
主人公には未だ幼い妹がいる。主人公にまとわりつこうとする。
ちっとも美人じゃなくて、そこがなんとも言えず可愛い。
彼女のしぐさや表情が、5歳になる私の孫娘とよく似ていて、親近感を抱いてしまった(笑)。
レスリー役のアナソフィア・ロブは初めて観たが、大きな眼が印象的だった。
これから伸びてくるのではないだろうか。
(以下、ネタバレ気味)
さて、ジェスの年上の女性に対する淡い恋心 あこがれの気持ちのようなものも描かれている。
しかし、それが悲劇をもたらすことにもつながっていく。
ここは観ていて、思わず、えっ!と思ってしまった。まさか、こんな展開になるとは・・・。
ジェスの後悔、自分を責める気持ちはよく判る。無理もない。
ここでジェスを支えてくれた大人達の有り様がよかった。
一見冷たそうだった担任の先生も実はとても良い人だった。
それに、ジェスを叱ってばかりいた父親もしっかりとジェスを支えてくれたのだ。
ジェスはテラシビアに行くための橋を一生懸命に作る。
そして幼い妹と一緒に新しいテラビシアへの橋を渡る。
この最後の展開は、ひとつ成長したジェスが渡る橋ということなのだろう。
しかし、その一方でレスリーとの思い出も薄れていってしまうようで、もうひとつ納得できなかった(汗)。
まあ、この辺は観ている人によって感想が変わるところなのでしょう。